クロマグロはふ化直後から成長の速いものだけが生き残る

タイトル クロマグロはふ化直後から成長の速いものだけが生き残る
担当機関 独立行政法人水産総合研究センター遠洋水産研究所
研究期間 2004~2006
研究担当者 山田陽巳/田中庸介
発行年度 2005
背景・ねらい 海産多産性魚類では生活史初期に激しい減耗が生じ,この初期減耗が資源変動に大きく影響する。クロマグロを含むサバ科魚類は初期成長が速いことが知られており,初期生残過程において成長は重要な要因であると考えられる。本研究では,耳石微細輪紋解析によりクロマグロ仔魚期の成長速度を明らかにするとともに,日本沿岸で漁獲された幼魚(20-30cm)の耳石輪紋半径(体長の指標)との比較により,幼魚までに生き残る仔魚期の成長と生残の関係を推定することを目的とした。
成果の内容・特徴
  • クロマグロ仔魚では発育段階の進んでいる個体ほどふ化からふ化後13日ごろの間における成長が速い傾向が見られた(図1)。
  • これまでの知見から,成長差が生じる原因として餌料生物の転換(微小動物プランクトン→より大型の動物プランクトン)の成否が影響している可能性が考えられた。
  • 成長,発育の速い仔魚が生き残って幼魚となり日本周辺に来遊することが示唆された(図2)。
  • 成長に依存した生残機構は他魚種においても確認されているが,ふ化後2週間以内という生活史の極めて初期の段階での成長が生残に大きく関与することが示唆された。
成果の活用面・留意点
  • クロマグロ資源の変動のしくみを解明するための基礎的知見となる。
  • 初期生残と資源変動の関係を明らかにするために,複数年にわたる採集調査を行う必要がある。
図表1 229677-1.gif
図表2 229677-2.gif
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