マガキ養殖用種苗の管理手法の確立

タイトル マガキ養殖用種苗の管理手法の確立
担当機関 広島県立水産海洋技術センター
研究期間 2002~2004
研究担当者 若野 真
赤繁 悟
村上倫哉
平田 靖
発行年度 2005
背景・ねらい 広島県のマガキ養殖生産量は約2万トンで全国の5~6割の生産をあげている。養殖に用いる種苗のほとんどは,広島湾において発生した浮遊幼生をコレクターに付着させる,いわゆる天然採苗によってまかなわれている。コレクターに付着した稚貝は,筏から垂下された状態で数日から1~2週間成育させた後に,本来の生息環境である潮間帯に設置された棚に垂下して,潮の干満にともない定期的に干出を与える抑制を経て,筏に垂下して養殖される。抑制は,干出と摂餌制限により弱い稚貝を淘汰して強い稚貝を種苗として随時供給するものであるが,近年採苗の沖合化に伴い餌料環境が変化したため,せっかく得られた種苗が養殖開始までに大量へい死する事例が多発している。そこで,マガキ稚貝の成長・生残に対する水温,餌料量および干出の影響について調査し,これまで経験的に行われてきた種苗の管理手法の見直しについて検討した。
成果の内容・特徴
  1. 稚貝は小さいほど干出に伴って多くへい死したが,殻高4~5mm(以下5mm稚貝とする)ではほとんどへい死しなかった(図1)。稚貝の成長は餌料密度と干出していない摂餌時間の影響が大きいため,餌の多い漁場への移動や干出時間の調整により,できるだけ速やかに5mm稚貝に成長させる必要があることがわかった。
  2. 稚貝は植物プランクトン等の餌が少ない場合には成長しなかったが,へい死もほとんどみられなかった。また,5mm以上の稚貝は成長に伴うコレクターからの脱落やコレクター同士の接触などによる脱落により個体数が減少した(図2)。
  3. 抑制後に筏から垂下養成する時の種苗は,コレクター1枚当りに殻高1cm程の稚貝が約50個体しっかりと付着して,成長が抑制されているものが最適とされる。これまでに開発したマガキの成長モデルに,稚貝の成長に伴ってへい死が減少する過程を組込んだ,稚貝の成長・生残の推定モデルを開発した。これを用いて,採苗時の付着数,抑制場の餌料量,および干出時間の調整によって,理想的な種苗育成が可能になった(図3,4)。
成果の活用面・留意点 適用には漁場毎の餌料量の調査を必要とする。
図表1 229722-1.gif
図表2 229722-2.gif
図表3 229722-3.gif
図表4 229722-4.gif
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