山口県周防灘海域における海洋環境の長期変動

タイトル 山口県周防灘海域における海洋環境の長期変動
担当機関 山口県水産研究センター
研究期間 2004~2004
研究担当者 和西昭仁
発行年度 2005
背景・ねらい 水温上昇や瀬戸内海環境保全特別措置法の施行によるCODや窒素・リンの負荷量削減などに象徴されるように、周防灘の海洋環境は最近の20~30年間に大きく様変わりした。その間、アサリの漁獲量の激減、ノリの色落ちの発生、クラゲ類の大量発生、ナルトビエイを始めとする暖海性魚介類の出現など海洋生物にも大きな変化が現れてきている。
以上のような背景の下、海洋環境の変化が生物に与えてきた影響を評価するため、本研究では海洋環境の長期的な変動傾向をまず明らかにすることを目的とした。
成果の内容・特徴 主な項目の変動傾向を挙げると次のようになった。
  1. 1990年代前半以降、表層の溶存酸素は減少している一方、底層の貧酸素状態は改善が進んでいる(図1)。
  2. 栄養塩(DIN及びDIP)は減少傾向が著しく、最近では1980年代後半の約半分となっている(図2及び3)。
  3. CODは瀬戸内海環境保全特別措置法による総量規制が始まった1980年頃に大きく減少し、その状態が継続している。
  4. クロロフィル-aは1980年代前半に大きく落ち込み、その後増減はあるものの、全体としては減少傾向にある。
以上、長期的な変動傾向から判断すると、汚濁負荷量の削減努力が実を結び、一般的には「水質は向上しつつある」と言えそうな結果が得られた(表1)。しかし、水産業の立場からすると、基礎生産に直結する栄養塩の減少は生態系のバランスを崩し、漁獲量の減少(106千トン('72年)から18千トン('02年)にまで激減)をもたらしていることが想像され、海が「きれいになった」と言うよりは「貧相になった」というほうが相応しいという見方もできる。
いずれにしても、地球温暖化などに代表されるスケールの大きな現象を解明するためには、今後もモニタリングを粛々と継続していく必要がある。
成果の活用面・留意点
  • 海洋環境と漁業生産との関係を調べる際の活用が期待できる。
  • 周防灘海域の水産業にとって、どのような状態が最適な海洋環境であるか、今後さらなる議論を要する。
図表1 229725-1.gif
図表2 229725-2.gif
図表3 229725-3.gif
図表4 229725-4.gif
カテゴリ

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる