| タイトル | 放流ヒラメの耳石にみられた異常透明帯 |
|---|---|
| 担当機関 | 大阪府立水産試験場 |
| 研究期間 | 2000~2003 |
| 研究担当者 |
佐野雅基 |
| 発行年度 | 2006 |
| 背景・ねらい | 大阪府では、放流ヒラメの放流年内漁獲を目的として、早期採卵と加温飼育(概ね17℃)による大型種苗の春季放流を実施してきた。放流効果調査で入手したヒラメ標本魚の耳石を観察したところ、放流ヒラメには、耳石の中心不透明部に特異的な透明帯を有するものが多数確認されたため、この透明帯(以下,異常透明帯とする)の出現状況を把握すると共に、その形成要因について飼育実験により検討を行った。 |
| 成果の内容・特徴 | 漁獲されたヒラメの耳石の異常透明帯(図1)は、低水温(9.2~16.1℃)の3、4月に放流を行った2001年放流群では59.8%で明瞭に認められたが、温暖期(19.2~23.0℃)に放流した2002年放流群では、明瞭な異常は23.8%しかなかった。飼育試験においても、17℃以上で加温飼育されていたヒラメ稚魚を10.6~12.7℃の低水温で飼育開始した場合、飼育魚の30~70%に明瞭な異常透明帯が確認されたが、18.8℃で飼育開始した飼育魚では全く異常が認められなかった。また、低水温の試験区のヒラメには成長停滞も認められ(図2)、同時期に耳石透明帯に不透明な障害輪が形成されていた。このことから放流ヒラメに特異的にみられた耳石の異常透明帯は、低水温による成長停滞に伴って形成された不透明な障害輪によって、透明帯が分断されたために生じたものであることが明らかとなった。この結果により、3、4月の低水温期の放流は成長停滞を引き起こすため、不適であることが明らかとなった。 |
| 成果の活用面・留意点 | この成果により、ヒラメの放流時期が見直され、地先海域の水温が、飼育水温の17℃とほぼ同じになる5月中旬に改められた。 |
| カテゴリ |
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