漁獲加入前のホッコクアカエビの資源評価手法の開発

タイトル 漁獲加入前のホッコクアカエビの資源評価手法の開発
担当機関 石川県水産総合センター
研究期間 2007~2007
研究担当者 五十嵐誠一
四方崇文
発行年度 2007
背景・ねらい
 石川県では、ホッコクアカエビは主に底びき網漁業によって漁獲されている。本種資源は数年毎(不定期)に発生する卓越年級群によって支えられている。このため、漁獲物のサイズ組成は年によって異なり、時には頭胸甲長20mm以下(3歳以下)の若齢個体が多数入網することがある。これらの若齢個体は洋上で投棄されたり、水揚げされても低価格でしか取引されないなど、資源管理上の問題がある。
 これらの問題に対しては、網目拡大などで資源を保護することが必要であるが、卓越年級群の発生が不定期であることから、具体的対策は実践されていない。漁業者の取り組みを推進するには、卓越年級群が漁獲加入する前に、その発生を把握し、漁業者に資源保護すべき対象を明確に示す必要がある。そこで、漁獲加入前に卓越年級群の発生を把握するなど、資源評価に有効な調査漁具として、ソリ付き桁網を開発した。

成果の内容・特徴 (1)調査船白山丸(167トン)による調査を前提として、ホッコクアカエビの若齢個体が効率良く採集でき、調査所用時間が短く、取り扱いも容易な漁具を目指した。具体的には、開口部:高さ150cm×幅220cm、網目:16節のソリ付き桁網(写真1・2)である。
(2)金沢沖の水深400mの海域で曳網したところ、投網から揚網までの所用時間は約1時間10分で、かけ回し式底びき網調査に比べて半分以下の時間で可能であった。
(3)ソリ付き桁網では、4歳以下のホッコクアカエビの採集が可能であり、漁獲加入前の2~3歳の個体も効率良く採集できることが確認された(図1)。若齢個体の採集効率は、夜間よりも日中に高いことから、本調査は日中に実施することが適当と判断された(図2)。
(4)かけ回し式底びき網調査では、主に3歳以上の個体が採集されており、ソリ付き桁網とかけ回し式底びき網による調査を並行して行うことで、本種の生活史の長期にわたる資源評価が可能になる(図1)。

成果の活用面・留意点
 ソリ付き桁網は調査が容易で短時間で実施できるため、調査海域を拡大することができる。このため、資源評価の精度向上が期待できる。また、漁獲加入前に卓越年級群の発生がモニタリングできることから、漁業者に対して資源保護すべき年級群を事前に明示することができる。このため、漁業者が資源管理措置の実践について十分に検討する時間的余裕ができ、資源管理が加速することが期待される。


図表1 229965-1.pdf
カテゴリ モニタリング

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