日本海中部におけるヒラメの放流効果の試算

タイトル 日本海中部におけるヒラメの放流効果の試算
担当機関 海区水産業研究部
研究期間 2006~2010
研究担当者 藤浪祐一(宮古栽セ)
中川亨(宮津栽セ)
藤本宏(小浜栽セ)
藤井徹生(日水研)
鈴木重則(南伊豆栽セ)
中野昌次(屋島栽セ)
高橋誠(瀬戸水研)
発行年度 2007
背景・ねらい
 ヒラメはマダイとならんで代表的な栽培対象種であり、近年は全国で年間約2,500万尾の種苗が放流されている。ヒラメの放流効果は回収率や混入率で示されることが多いが、これらの数値は放流魚を漁獲することによるいわば直接的な放流効果の指標である。一方、間接的な放流効果として放流魚の再生産への貢献による資源量の増大が期待され、その効果の定量が求められている。天然ヒラメと放流ヒラメの識別には無眼側の黒化の有無が用いられてきたが、近年、種苗生産技術の進歩に伴い黒化の軽微な、あるいは全くない種苗の割合が増えており、正確な回収率や混入率の算出が困難になりつつあり、そのことが資源学的手法による放流魚の再生産効果推定の隘路となっていた。平成17年度から開始された日本海中西部ヒラメ広域連携調査では、統一基準により各年の府県ごとの放流種苗黒化率の記録ならびに市場調査を行っており、放流種苗の黒化率で補正した信頼性の高い年齢別放流魚漁獲尾数の推定が可能になった。本研究では、日本海中西部ヒラメ広域連携調査*等で得られたデータに基づきコホート解析を行い、日本海中部(兵庫県から石川県)沿岸におけるヒラメの資源量を推定し、再生産も含めた放流効果を試算した。

成果の内容・特徴  日本海中西部ヒラメ広域連携調査*等で得られた年齢別漁獲尾数データを基に自然死亡係数(M)は天然魚、放流魚ともに0.2と仮定してコホート解析を行い、日本海中部(兵庫県から石川県)沿岸におけるヒラメの資源量を推定した。この海域のヒラメ資源量は漁獲量が過去最低を記録した2000年以降ゆるやかに増加しており、2006年の資源量は547トンで、そのうち64トン(11.7%)を放流魚が占めていたと推定された。放流魚の再生産成功率が天然魚と等しいと仮定すると、放流魚により産卵親魚量が増加した分だけ次世代の加入量が増加することになり、2001年以降に放流されたヒラメが再生産に加わったことによる資源増大効果は2006年には43トンであったと推定された。仮に2000年で種苗放流を打ち切っておれば2006年の資源量は440トンと現状よりも約20%低いレベルであったと推察された。(図1参照)*平成18年度日本海中西部ヒラメ広域連携調査事業報告書(2007),鳥取県(幹事県)ほか.

成果の活用面・留意点
現在も調査継続中であり、天然魚と放流魚の自然死亡係数や再生産成功率の違い、当該海域からのヒラメの出入り等を加味してより精度の高い推定を行う必要がある。


図表1 229969-1.png
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