カイガラアマノリの増養殖手法の開発について

タイトル カイガラアマノリの増養殖手法の開発について
担当機関 山口県水産研究センター
研究期間 2005~2007
研究担当者 畑間俊弘
発行年度 2007
背景・ねらい
山口県の一部干潟域には環境省のレッドデータブックで絶滅危惧1類に指定されているカイガラアマノリの分布が見られ、以前から一部の地域住民により僅かながら食用に利用されていた。しかしながら近年の環境等の変化から分布域も縮小傾向となっており、本種の保全のため効率的な培養技術を開発するとともに特産種としての利活用の可能性を検討するため増養殖試験を行った。

成果の内容・特徴 「カイガラアマノリの糸状体培養手法の開発」 自然分布域における主な穿孔基質は腐朽したアサリ殻であるが、耐久性、強度的に問題が多く、ハマグリ等他の貝殻は安定的に入手することができないため、入手・管理の容易さ等からノリ人工採苗で使用済みのカキ殻が現状では最も適していた。糸状体の培養・管理手法は葉体静置による果胞子つけ法が簡便で安定的であった。培養管理も濾過海水をかけ流した状態で月1回の施肥をする程度で、播きつけに使用可能なカキ殻糸状体を大量に培養することができた。
「干潟域での増養殖試験」 カキ殻糸状体を干潟上に直播きすることにより増殖場の造成が可能となった。地盤高については低い方が高成長を得られるが収穫等の作業性及び収量を考慮すると±0cm前後が好ましい。カキ殻の流失等を防ぎ単位面積当たりの収量を安定させるには、カキ殻を干潟へ差し込む播き付け方法が適しており、240枚/m2の播種密度の場合、400~460g/m2・回の収量が得られ、葉体繁茂期である1~3月に4回程度の収穫が可能であり、概ね1シーズンで1,600~1,840g/m2の収量が得られることが判った。(図1)
「製品化試験」 スサビノリよりも乾燥時の収縮が大きいため、穴あき、乾燥ムラ等の発生しやすい板ノリ加工は不向きであることがわかった。一方バラ干し加工は、スサビノリよりも甘味が強いという本種の特性を生かせる適切な加工方法であると思われた。本種は甘み系アミノ酸であるアラニンを多く含有しており、スサビノリとは大きく異なる遊離アミノ酸組成を示すことから、スサビノリとは異なる製品開発の可能性を内包することが示された。(表1、図2)

成果の活用面・留意点
・特産品等の差別化商品としての活用が可能となった。
・生産現場の現状に合致した技術改良等の実証試験の必要性。


図表1 229991-1.pdf
カテゴリ 加工 乾燥 施肥 播種 ばら

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