| タイトル | 放射線応答性新規リン酸化シグナルの解析 |
|---|---|
| 担当機関 | 独立行政法人水産総合研究センター中央水産研究所 |
| 研究期間 | 2004~2006 |
| 研究担当者 |
山下倫明 尾島信彦 |
| 発行年度 | 2007 |
| 背景・ねらい | 放射線照射によってDNAの二重鎖が切断された結果,短時間の間にDNA修復に関与するシグナル分子が活性化する細胞応答が知られている。このような放射線応答に関わる分子メカニズムを解明するため,魚類細胞を用いて解析した結果,DNA二重鎖切断によって活性化し,放射線応答の初発酵素であるアタキシア症原因酵素ATMキナーゼが,分子シャペロンCDC48を活性化する新規リン酸化シグナル経路を見いだした。 |
| 成果の内容・特徴 | ・ この応答を検出するための新規リン酸化抗体を開発した。ほ乳類由来CDC48/VCP/p97のリン酸化部位Ser-784残基周辺のアミノ酸配列(図1)に由来するGly-Asn-Gln-Gly-Gly-Ala-Gly-Pro-(phospho)Ser-Gln-Gly-Ser-Gly-Glyをウサギに免疫してリン酸化CDC48特異抗体を作製した。この抗体は放射線応答および飢餓応答に利用可能なものである。 ・ 低線量放射線の生物影響評価のため,魚類ZE細胞,ヒトHEK293細胞およびゼブラフィッシュ胚を用いて放射線の応答を解析した。CDC48リン酸化特異抗体を用いるCDC48リン酸化の生化学的解析の結果,低線量ガンマ線照射によってATMキナーゼが自己リン酸によって活性化し,このATMキナーゼの作用によってCDC48のSer-784およびp53のSer-15におけるリン酸化が誘導されることが見いだされた(図2,3)。これらの応答は線量に依存し,照射後,15~30分以内に生じた(図4)。 ・ CDC48は,ユビキチン-プロテアソーム経路によるタンパク分解を促進する作用をもつことが知られていることから,リン酸化され活性化されたCDC48が,照射によって生じた異常タンパク質を分解除去するという分子シャペロンとしての作用が推定された。 ・ CDC48は,脳および筋肉の障害を引き起こす遺伝病パジェット病の原因遺伝子であることが同定されており,病態の診断への利用も期待できる。 |
| 成果の活用面・留意点 | 本抗体は,放射線生物学,細胞生物学におけるツールとして広く利用することができる。放射線による異常タンパク質の生成とCDC48による分解除去作用を確認する必要がある。 |
| 図表1 | 230036-1.pdf |
| カテゴリ |
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