水槽試験による植食性ベントス5種の海藻摂食量の比較

タイトル 水槽試験による植食性ベントス5種の海藻摂食量の比較
担当機関 佐賀県玄海水産振興センター
研究期間 2005~2006
研究担当者 金丸彦一郎
古川泰久 佐賀県玄海水産振興センター
荒巻 裕
発行年度 2007
背景・ねらい
佐賀県玄海海域ではいわゆる"磯焼け"はほとんどみられていないものの、局所的な藻場の衰退が明らかにされており、主としてウニなどの植食性ベントスの摂食が原因の一つであると考えられている。一方、ウニ類は、従来から分布するアカウニ、バフンウニ、ムラサキウニの3種に加え、近年ガンガゼが増加している。しかし、これらウニ類の海藻摂食量,特にサイズ別の摂食量に関する知見は極めて少なく、多種類のサイズの異なる植食性ベントスが分布する天然海域において、その摂食量を推定、比較することは困難である。
 そこで、ウニ類等の植食性ベントスの摂食圧を評価するため、陸上水槽においてウニ類4種とオオコシダカガンガラを加えた5種を対象として、サイズ毎に海藻摂食量を飼育試験により調査した。(写真1)飼育事例毎に平均殻径20mmサイズのアカウニを基準とした摂食量に換算し、標準化することにより、海域毎の植食性ベントスの分布数から、大まかな海藻摂食圧を推定し、海域間の摂食圧を比較することを試みた。

成果の内容・特徴 1.アカウニ、バフンウニ、ムラサキウニの3種は同サイズでは、ほぼ同程度の海藻摂食量だったものの、この3種に比べガンガゼは1.5~2倍程度の、オオコシダカガンガラは1/2程度の摂食量であった(図1)。
2.本県玄海町仮屋地先の大型海藻が点生となっている、いわば「半磯焼け状態」の箇所と健全な藻場域における、1平方メートル当たりの植食性ベントスの個体数と重量を比較すると、半磯焼け域にだけウニ類がみられ、重量では約75%を占めていた(図2)。
3.水槽実験の結果に基づき、アカウニ換算値(アカウニ殻径20mmサイズ1個体による摂食量を「1」)を用いて両区域の摂食圧を評価したところ、藻場域は約「20」で、半磯焼け域は約「30」だったことから、この年の仮屋地先では、アカウニ換算で20~30個の間に磯焼け発生の閾値があったと考えられる。

成果の活用面・留意点
今後、水温や餌となる海藻の種類などの条件を組み合わせることにより、各種、各サイズのウニ類や巻貝を、平均殻径20mmサイズのアカウニの個体数に換算し(以下,アカウニ換算値という)、季節、海域、地点ごとに、植食性ベントス(またはその全体)による大まかな海藻摂食量の比較が可能と考えられる。


図表1 230069-1.pdf
カテゴリ

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる