| タイトル | キンメダイ漁場における漁場環境と魚群形成量の関係について |
|---|---|
| 担当機関 | 神奈川県水産技術センター |
| 研究期間 | 2001~2009 |
| 研究担当者 |
秋元清治 |
| 発行年度 | 2007 |
| 背景・ねらい | 本県のキンメダイ立縄釣り漁船(10t未満船)は東京湾口部から八丈島以北に点在するキンメダイ漁場を操業しており、中でも7- 9t級漁船は伊豆諸島海域の三宅島や御蔵島周辺を主漁場としている。これらの漁場は、漁船の基地港である神奈川県三崎漁港から遠く、出漁時の燃料費負担が大きくなることから、不漁時には採算割れをおこす可能性がある。このため、これら漁船の効率的な操業に資することを目的とし、黒潮流況と漁況との関係が流況変化に伴う漁場環境の変化に起因することを明らかにするため、キンメダイ主漁場の一つである三本ナカンバ漁場において、水温、塩分などの漁場環境と魚群形成量の関係、さらに、漁場の海底形状が漁場環境及び魚群形成量に及ぼす影響について調べた。 |
| 成果の内容・特徴 | 1 漁場の表層流速は黒潮乖離距離が0~100kmと大きくなるに従って、最大3ノットから0.5ノット程度まで減少した(図1)。また、漁場におけるキンメダイ魚群の平均SA値(魚群分布密度)は表層流速の増加とともに減少したが、特に1.5ノットを越えると著しく減少した(図2)。 2 平均SA値とCPUE(1操業あたり釣獲尾数)の間には高い正の相関があり(図3)、黒潮が漁場から離れるほど魚群分布量は多くなり、それに伴って漁獲効率が高まる傾向が明瞭に見られた(図3, 4)。 3 好漁時の漁獲水深帯(200~250m層)の水温は10~13℃であり、不漁時の水温(11~16℃)に比べて低い傾向が見られた。また、好漁時の漁獲水深帯(200~250m層)の塩分は34.1~34.4であり、不漁時の塩分(34.3~34.6)に比べて低い傾向が見られた。 4 黒潮乖離距離が大きい場合は黒潮の影響が薄れ、漁場では北西あるいは西向きの緩い流れの場合が多かった。また、漁場の水温、塩分濃度が低くなる傾向があり、魚群形成量が多く漁獲効率も高かった。 5 漁場環境の変化と海底地形の特徴から、漁場に北西および西向きの緩い流れがある場合に湧昇流が発生している可能性が示唆された。このような湧昇流は餌生物の発生を促し、これに伴ってキンメダイの集群量を大きくしていると考えられる(図5)。 |
| 成果の活用面・留意点 | 出漁判断に資することから本成果の漁業者への普及に努めるとともに、漁業調査指導船によって漁場の水温、塩分、流向流速などの情報をリアルタイムに漁業者に提供している。 |
| 図表1 | 230047-1.pdf |
| カテゴリ |
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