北海道西岸の沿岸水温は100年で約0.7℃上昇

タイトル 北海道西岸の沿岸水温は100年で約0.7℃上昇
担当機関 北海道立中央水産試験場
研究期間 1989
研究担当者 田中伊織
発行年度 2008
背景・ねらい これまで北海道西岸日本海の沿岸水温の変化が北海道春ニシン及びスケトウダラの分布域の変化や資源量の変動要因と密接に関係することが明らかとなっている。また、最近気象庁は地球温暖化に伴って日本海沖合の表面水温が上昇していることを発表している。そこで、中央水産試験場及び北海道栽培漁業振興公社資料を基に、1897年から継続観測されている北海道西岸の沿岸水温が、過去100年でどの程度変化したかを明らかにすることを目的とした。また、気象庁の日本海沖合水温時系列データと水温上昇率の比較を行った。
成果の内容・特徴 北海道日本海沿岸で長期にわたり沿岸水温観測が継続された宗谷岬から松前までの9地点を選び(図1)、北海道西岸域の沿岸水温の変化を調べた(北海道栽培漁業振興公社資料含む)。観測期間が重複している1931年から1960年までの30年間の各地点の平均値を求め、これを基準に各地点の水温偏差を計算し、それらの平均値を求めて各年の年平均水温偏差とした。このようにして、1898年から2006年まで109年間の年均水温偏差の時系列資料を作成した。この水温時系列資料と比較するために、気象庁のホームページで公開されている日本海北東部、日本海中部海域(図1)のそれぞれの平均水温偏差時系列資料を使用した。
その結果、(1)北海道西岸の沿岸水温は100年で0.68℃上昇したことが明らかになった(図2)。また、現在まで日本海全体で共通して継続する高水温化が始まる1950年以降の時期について、気象庁の沖合データと水温上昇率を比較したところ、(2)日本海中部海域では1950年以降の期間で100年あたり0.74℃の上昇率を示し、同期間の北海道西岸の上昇率0.65℃(100年あたり)とほぼ同じ大きさであった(図2)。(3)日本海北東部では1950年以降の期間で100年あたり2.75℃の上昇率を示し、北海道西岸域及び日本海中部海域の約4倍の大きさであった(図3)。
以上の結果から、(4)1950年代以降の日本海中部以北海域では、日本海北東部、すなわち北海道西岸を含む対馬暖流域よりも沖側の日本海固有冷水域において、水温上昇率が非常に大きいことが明らかになった。
成果の活用面・留意点 例えば春ニシンやスケトウダラなど、海洋環境の変化が資源量変動に影響している種の長期変動解析に、これまでにない視点からの知見を与え、資源変動要因解明に活用できる。
図表1 230089-1.pdf
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