佐渡島における大型クラゲ分解速度の測定

タイトル 佐渡島における大型クラゲ分解速度の測定
担当機関 独立行政法人水産総合研究センター日本海区水産研究所
研究期間 2006~2006
研究担当者 井口直樹
発行年度 2008
背景・ねらい
日本海に大量に来遊した大型クラゲは、冬季の低水温に伴い衰弱、死亡し海底に沈むものと推定され、藻場、磯などの浅海域や水温1℃以下である日本海深層水などに沈降した個体は、海洋生態系や漁業に影響を与えることが懸念されている。本研究では海底に沈降した大型クラゲがどのような生物に利用され、どのくらいの速度で分解し消滅するのか佐渡島で測定した。
成果の内容・特徴 大型クラゲの傘部の破片は、表層水水槽(1kg、8.0℃)では8日後、深層水水槽(1kg、2.5℃)では14日後に消滅し、表層水水槽の大型クラゲからは深層水水槽よりも4~5倍高い細菌数(3.1x108 cells/g)が観察された(図1、2)。水温と消滅までの日数のQ10(生体反応の温度依存性に関する指標で、温度が10度上昇すると反応速度が何倍になるかを表す)を求めると2.8であり、この値は一般的な生物反応で知られる値(2~3)にほぼ等しいことから、消滅までの日数と水温との関連が推定される(図3)。漁港海底(2kg、9.9℃)では5~8日後に消失し、甲殻類のソコミジンコ類、特にトウヨウヨツツメソコミジンコ(体長約1mm)が付着していた(図4)。デトリタス食性と想定されるこれら生物は、付着量が少ないことから日数に与える影響は少ないと考えられる。
成果の活用面・留意点
これまで情報が不足していた大型クラゲ分解速度について明らかにすることができた。沈降した大型クラゲはバクテリア等の作用により消滅して長期間留まらないことから、少量の沈降であれば生態系への影響は少ないものと予測される。消滅までの日数と水温との関係は、他の季節や海域において大型クラゲの分解速度を推測する際の基礎的知見となる。

図表1 230095-1.pdf
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