大阪府高石漁港における貧酸素化軽減技術の実証試験

タイトル 大阪府高石漁港における貧酸素化軽減技術の実証試験
担当機関 大阪府環境農林水産総合研究所
研究期間 2007~2008
研究担当者 中嶋昌紀
発行年度 2008
背景・ねらい
本実証試験は,既に適用が可能な段階にありながら,環境保全効果等について客観的な評価が行われていないために普及が進んでいない先進的環境技術について,その環境保全効果等を第三者が客観的に実証することにより,環境技術の普及を促進し,環境保全と環境産業の発展を促進することを目的としている.

大阪湾は富栄養化の進んだ閉鎖性海域であり,夏季には酸素の少ない水(貧酸素水塊)が発生して,海域の生物生育環境に悪影響を及ぼしている.湾奥部に位置する高石漁港は概ね100m×150mの大きさで,水深約2~3mの閉鎖性の強い水域であり,夏季を中心に港内水が貧酸素化するため,実証試験場所に選定した.なお,実証を行う技術は公募により選定した.
成果の内容・特徴 ・2007年7月~11月に高石漁港内で2基のマイクロバブル発生装置(図1)を運転した.装置は水中ポンプにより水流を発生させ,地上の空気をホースから取り込み,ノズルからマイクロバブルを含んだジェットとして放出する.漁港内は漁港外に比べて強く貧酸素化しており,漁港内の一部に設定した実証領域(図2)は漁港内において最も強く貧酸素化していた.このため明らかな貧酸素化の改善効果は装置の周辺に限られた.

・漁港内の一部を幕で仕切った実験区(約94m3)の中で装置1基を運転すると,約30分間で4.4mgDO/Lから6.1mgDO/Lへと速やかに上昇し,装置の曝気能力が確認された(図3).

・実験区では改善効果が見られたが,設定した実証領域全体(開放系)においては底層水の溶存酸素濃度向上が明確には見られなかった.原因としては,曝気した水の周囲への拡散や,底質による酸素消費など,実証領域の環境特性に対して装置の能力が小さかったことや,装置の作る流れでは実証領域内を均質化できなかったこと等が考えられた.開放系においても期待される性能が発揮できるよう,更なる技術の改善が示唆された.
成果の活用面・留意点
・実海域における技術の適用に際しては,現場の水塊の規模,底質の性状,有機物流入等について,事前に詳細な調査を行い,現場の環境を改善するための十分な設備を設置することが必要と考えられた.

図表1 230131-2.png
図表2 230131-3.png
図表3 230131-4.png
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