養殖エビのストレス評価法の開発

タイトル 養殖エビのストレス評価法の開発
担当機関 独立行政法人水産総合研究センター養殖研究所
研究期間 2004~2008
研究担当者 奥村卓二
発行年度 2008
背景・ねらい
エビ養殖では、環境変化やハンドリングなどのストレスから成長不良や生体防御能低下を起こして歩留まりが低下しやすい。現在は摂餌状況や死亡個体の増加などからエビの状態を判断しているが、より客観的にストレス状態を診断できれば早めに対策を立てられるようになる。本研究では、ストレス下で病気に対する抵抗力が低下することに注目して生体防御関連物質の遺伝子発現量を指標の候補とした。ストレス下での遺伝子発現量の変化を調べ、ストレス状態を表す指標として利用できるか検討した。
成果の内容・特徴 研究対象のエビとして世界的に広く養殖されているバナメイを用いた。生体防御関連因子として、抗菌物質のペネイジン、クラスチン及びリゾチーム、そして異物質排除に関わるフェノロキシダーゼ前駆体とそれを活性化させるセリンプロテアーゼを選んだ。公開されている遺伝子データベースから各物質の塩基配列を調べてプライマーを設計し、定量PCRで血球中の遺伝子発現量を測定した。(1)ストレスの飼育実験として、まず菌体成分(大腸菌のリポポリサッカライド(LPS))を注射して影響を調べた。注射後4時間でペネイジンとクラスチンの発現量が減少し、24時間後には元に戻った(図1)。一方、フェノロキシダーゼ前駆体の発現量は変化しなかった。LPSが多いほど、注射4時間後のペネイジンの発現量低下が大きくなった(図2)。(2)絶食下では、ペネイジン、クラスチン及びフェノロキシダーゼ前駆体の発現量が増加する傾向が見られた。(3)ハンドリングを与えると、ペネイジンの発現量が低下したが逆にフェノロキシダーゼ前駆体の発現量は増加した。(4)低塩分にすると、ペネイジンの発現量が低下した。以上から、ストレスにより生体防御関連物質の遺伝子発現量が変化し、生体防御能が影響を受けることがわかった。逆に、ストレスで変化する生体防御関連物質の遺伝子発現量を調べれば、ストレスの程度を推定できると考えられる。
成果の活用面・留意点
養殖しているエビのストレスを診断したいときに、生体防御関連物質の遺伝子発現量を調べることでストレス状態を評価できる。遺伝子発現量の測定にはリアルタイムPCR機が必要となる。

図表1 230146-1.png
図表2 230146-2.png
カテゴリ データベース 評価法

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる