漁獲統計と生物測定に基づいた東シナ海におけるマサバとゴマサバの産卵場の推定

タイトル 漁獲統計と生物測定に基づいた東シナ海におけるマサバとゴマサバの産卵場の推定
担当機関 東シナ海漁業資源部
研究期間 2006~2010
研究担当者 依田真里
浅野謙治
大下誠二
田中寛繁
由上龍嗣
発行年度 2008
背景・ねらい
東シナ海に生息するマサバとゴマサバは、それぞれマサバ対馬暖流系群、ゴマサバ東シナ海系群に属し、両種の太平洋系群とあわせてさば類としてTAC管理が1997年から行われているが、科学的根拠を持ったABC算定に必要な生物特性は十分には明らかになっていない。そこで本研究では、マサバとゴマサバの産卵生態、特に産卵場を明らかにすることを目的とした。
成果の内容・特徴 1998~2006年に九州主要港に水揚げされたマサバ3439尾、ゴマサバ3886尾の尾叉長、体重、性別、生殖腺重量を測定した。一部のサンプルの卵巣について組織学的観察を行った。一方、1992~2006年の大中型まき網漁獲成績報告書を解析し、30分マス目間隔で月別に、マサバとゴマサバのCPUE(トン/網)の分布を把握した。生物測定の結果、マサバはGSI=2.6以上、尾叉長275mm以上、表面水温15~22℃の海域で成熟し、産卵期は2~6月と考えられた。ゴマサバはGSI=2.5以上、尾叉長310mm以上、表面水温17~25℃の海域で成熟し、産卵期は2~5月と考えられた。産卵期かつ成熟魚が見られた表面水温の範囲内に成熟魚が分布している海域を産卵場とすると、マサバの産卵場は2~4月に東シナ海中南部から九州西岸、5月に東シナ海中部、九州西岸、対馬海峡、6月に対馬海峡から日本海西部(図1)、ゴマサバの産卵場は2~4月に東シナ海中南部から九州南部沿岸、5月に東シナ海中南部から九州西岸(図2)と推定された。
成果の活用面・留意点
・特に近年において不明であった、東シナ海のマサバとゴマサバの産卵生態が明らかになった。
・漁獲統計を解析することにより、卵稚仔調査のみでは不可能な、広範囲、長期間にわたる産卵場を推定することができた
・マサバとゴマサバの産卵生態の違いが明らかになり、東シナ海の高温化と資源変動の関係を解明する手掛かりを提供することができた。
・産卵期と産卵場を明らかにしたことにより、産卵親魚の保護を目的とした大中型まき網の休漁期間、禁漁区の提言の根拠となりうる。

図表1 230196-1.pdf
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