ソルガムサイレージの発酵品質と飼料価値

タイトル ソルガムサイレージの発酵品質と飼料価値
担当機関 東北農業試験場
研究期間 1987~1990
研究担当者 久馬 忠
近藤恒夫
大下友子
柾木茂彦
名久井 忠
発行年度 1992
要約 ソルガム各品種のサイレージを調製し、発酵品質と飼料価値を明らかにした。ソルガム類は飼料成分や飼料価値の品種格差が大きいが、いずれの品種も東北地域では、9月以降に収穫すれば、安定した品質のサイレージが調製できる。
背景・ねらい 東北地域における長大飼料作物の基幹は、サイレージ用トウモロコシであるが、転作田
への作付や高収量飼料作物としてソルガム類の導入が注目されており、地域内での栽培
面積も拡大しつつある。しかしながら、ソルガムは生育特性に品種格差が大きく、地域
環境や利用目的に適した品種の選定、サイレージの調製、利用についての検討はあまり
なされていない。本研究では、ソルガムサイレージの調製貯蔵方法を発酵品質及び飼料
価値の点から明らかにした。
成果の内容・特徴
  1. ソルガムサイレージの飼料成分組成は、品種間において、粗蛋白質、粗脂肪含量の差は
    小さく、繊維:非繊維成分の割合に大きな違いが認められる。繊維含量の高いものは、乾物
    収量が高く、非繊維成分であるでんぷんや糖含量が高いものは、家畜の嗜好性が高い特徴
    がある。飼料成分組成の観点から品種を分類すると、(1)子実型:でんぷん含量の高い
    タイプ(例:HGR-II、スズホ、P988、SS-H)。(2)糖蓄積型:茎部に単少糖類を蓄積する
    タイプ(例:FS304、Waconia、シュガーグレイズ)。(3)繊維型:乾物中の繊維成分の割合が
    高いタイプ(例:SCS405、SCS507、P931、FS902)に分けられる
    (表1)。
  2. 東北地域において、刈取時期を9月以降とし、トウモロコシに準じた調製方法であれば、
    いずれの品種においても、ソルガムサイレージの発酵品質はトウモロコシに劣らず良好
    である(表2)。
  3. ソルガムサイレージの可消化養分総量(TDN含量)は48-57%の範囲であり、黄熟期刈の
    トウモロコシサイレージに比較して5-17%程度低い。また、トウモロコシに比べ可消化
    有機物中に占める可消化繊維成分の割合が高い(図1)。
成果の活用面・留意点 トウモロコシに比較して晩播が可能でかつ多収性があるソルガム類を、現行の
トウモロコシの収穫・調製体系導入することが可能となる。ソルガム類は、牧草類に
比べサイレージ調製は容易であるが、(1)適期刈取、(2)細切、(3)密封の基本は厳守する
こと。また、トウモロコシサイレージと同様に、開封後の好気的変敗にも留意する。
図表1 230299-1.gif
図表2 230299-2.gif
図表3 230299-3.gif
カテゴリ 飼料作物 ソルガム 多収性 とうもろこし トウモロコシサイレージ 品種

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる