リグニン指標法によるホールクロップサイレージの消化率の測定

タイトル リグニン指標法によるホールクロップサイレージの消化率の測定
担当機関 東北農業試験場
研究期間 1992~1993
研究担当者 久馬 忠
近藤恒夫
大下友子
発行年度 1992
要約 ホールクロップサイレージの乾物消化率は、酸性デタージェント-72%硫酸-2次加水分解の連続処理で得られるリグニン画分を用いた指標法で測定すれば、全ふん採集法とほぼ同等の測定結果が得られる。
背景・ねらい 家畜を用いた消化率測定法の1つである指標法は、特別の施設・用具や多くの労力を必要
としない利点があるが、適切な指標物質を選定しておくことが前提となる。リグニンは
古くから指標物質として検討されてきたものの、その測定結果は必ずしも安定したもの
ではない。そこで、ホールクロップサイレージを対象として、家畜消化管内でのリグニン
の消長を明らかにし、指標物質としてのリグニン画分の分析条件について検討した。
成果の内容・特徴
  1. ホールクロップサイレージのリグニンは、ふん中にそのまま排泄されるわけでなく、1部
    は家畜消化管内でリグニンフラグメントになって可溶化する
    (表1)。
  2. 酸性デタージェントで前処理すると、リグニン含有率は低く評価されるものの、ふん中
    へのリグニン回収率は低い(表2)。
  3. 72%硫酸処理後、2次加水分解を行わないと、ふん中のリグニンが相対的に高く評価される
    (表3)。
  4. 酸性デタージェント-72%硫酸-2次加水分解連続処理で求めたリグニンを指標物質に用いて
    測定した乾物消化率は、全ふん採集法によって求めたものと概ね一致する
    (図1)。
  5. ホールクロップサイレージの乾物消化率の測定には、酸性デタージェント(加熱還流
    1時間)-72%硫酸(20度C前後、4時間)-2次加水分解(3.6%硫酸、121度C、1時間)連続処理
    で得られるリグニン画分が指標物質として適する。
成果の活用面・留意点 多くの時間と労力のかかる飼料摂取量、排ふん量の測定をしなくとも、乾物消化率が
求められる。リグニンの分析はできる限り厳密に行なう必要がある。
図表1 230300-1.gif
図表2 230300-2.gif
図表3 230300-3.gif
カテゴリ

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる