石灰質資材による水稲のカドミウム吸収抑制

タイトル 石灰質資材による水稲のカドミウム吸収抑制
担当機関 宮城県農業センター
研究期間 1994~1994
研究担当者
発行年度 1994
要約 多孔質ケイカルなどの石灰質資材を多量施用し、土壌pHを7.0以上に調整することにより、資材単独で水稲のカドミウム吸収を抑制できる。現地全層汚染土壌の場合は土壌型別にグライ土壌では作土のみ、灰色土壌では作土下層(地表から25cmの深さ)までの土壌pHを調整すれば、カドミウム吸収を抑制できる。
背景・ねらい ようりん、ケイカル等の資材を用いた水稲のカドミウム吸収抑制試験は
これまで全国で実施されてきたが、資材単独では安定した抑制効果が得られず、
対策としては効果の安定している客土が実施されてきた。しかし客土は費用や
地力低下等の問題も大きいので、従来の資材試験を再検討し、
資材単独の吸収抑制対策の確立を試みた。
成果の内容・特徴
  1. 多孔質ケイカル(ALC)の多量施用により土壌pHを7.0以上に保てば、
    水管理に関係なく、資材単独で水稲のカドミウム吸収を安定して抑制できる
    (図1)。
    施用量は資材混和後の土壌石灰飽和度が100%以上となることを目安とする。
    ALC(Autoclaved-Lightweight-Concrete):CaO 22%, Si02 40%,EC 0.5ms/cm
  2. 全層汚染土壌の場合、グライ土壌では作土のみの土壌pH調整で
    水稲のカドミウム吸収を抑制できる。灰色土壌では作土及びその下層から
    カドミウムを吸収するので、作土下の層まで(圃場地表から25cmの深さまで)
    土壌pH調整することでカドミウム吸収を抑制できる。(
    図2、
    図3)
    資材の施用量については、pH5.0,CEC30me/100gの土壌でグライ土壌の場合
    約2500kg/10a,灰色土壌の場合約5000kg/10aとなる。
    資材は充分混和されたほうが効果は大きい。
  3. 施用後4ヶ年は新たに資材の追加施用がなくても、施用初年度と同様の抑制効果が
    得られており、効果は長期間持続するものと考えられる。(データ略)
  4. 収量について4ヶ年の試験では大きな影響は認められなかった。
    しかし初期成育が遅れ出穂期も2~3日遅れることもあるので、
    若干の減収を招く場合もあると考えられる。(データ略)
成果の活用面・留意点
  1. 簡便で低コストな土壌汚染対策として実施できる。
  2. 資材の効果持続のため、ケイカル等の石灰質資材を毎年100kg/10a程度の作土施用
    を基本とする。跡地土壌のpHを測定して施用量を調整してもよい。
  3. 施用初年度は特にアルカリ効果による地力発現があるので、
    倒状防止のためには基肥を3割程度減肥し、追肥により生育を調整する。
  4. 資材施用した土壌は育苗には使用しない。
図表1 230635-1.gif
図表2 230635-2.gif
図表3 230635-3.gif
カテゴリ 肥料 育苗 水稲 低コスト 水管理

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