タイトル |
水稲作10ha経営の作業管理上の留意点 |
担当機関 |
山形県立農業試験場 |
研究期間 |
1994~1994 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1994 |
要約 |
水稲作10ha経営の作業管理の留意点は、(1)ほ場の団地的確保、(2)距離、団地面積、地力、水利等のほ場条件をふまえた転作地設定と作物・水稲品種作付け、(3)収量の安定確保と作業効率の向上を目標とした稲作の作業順序の決定にある。
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背景・ねらい |
10haないし20haを目標とする稲作経営の規模拡大においては、 作業管理が制限要素となるため、あらかじめ作業管理の留意点を把握しておくことが 経営の円滑な管理運営に有効である。
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成果の内容・特徴 |
- 県内の水稲栽培面積10ha以上の経営10戸を調査し、
作業管理の考え方や方法等についての聞き取り結果から大規模稲作経営の作業管理上 留意すべきポイントを明らかにした。
- 水田ほ場の確保
地域差や個別条件の影響も大きいが、作業能率の向上と機械の大型化に対応するため、 居住地や既存ほ場の近接地での確保と団地化に努めることが重要である。 団地面積は半日ないし1日の作業単位を確保するため100a以上が望ましい。 特に、遠隔地では団地化が大切である。 (表1) - 転作地の設定と作物作付け
遠隔地や水利の末端ほ場等を転作地とする。そして、 日常管理を要する作物は居住地に近い転作地に作付けし、 一方、遠隔地には日常管理を要しない作物を配置する。
- 水稲品種の作付け
収量品質の向上と作期幅の拡大のため、ほ場の距離、面積、地力等をふまえ 品種作付けを行う。高収地、近接地、団地に中生等、主力品種を作付けする。 早期に収穫の必要な秋落ち地や作業期間の短い中山間地、さらに、 地力の低いほ場には早生品種を配置する。
- 作業管理の優先順位と作業順位
収量の安定確保と作業効率の向上を目標に、ほ場の貸借、ほ場配置、農業労働力、 機械施設装備等の条件をふまえ、作業の順序を決定する。(1)作業受託地、団地、近接地、高収地等の作業を優先し、(2)作業工程間では最終工程の収穫作業を最も優先し、 それに、田植えや代かき等を連動させる。ただし、(3)耕起や水管理、防除等は独立的であり、耕起はほ場の乾燥条件、水管理は走行距離と観察に効率的なルート、防除は品種とほ場配置等により作業順序を決定する。 (表2)
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成果の活用面・留意点 |
- 東北南部積雪地帯の大規模稲作経営の条件から集約している。
- ほ場の優先順位、作業順序等、経営の特異な条件では表2の概括と異なる
例もみられる。(経営)
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
病害虫
乾燥
規模拡大
経営管理
作業管理
水田
水稲
中山間地域
品種
防除
水管理
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