稲いもち病の発生の推移の品種間差異

タイトル 稲いもち病の発生の推移の品種間差異
担当機関 東北農業試験場
研究期間 1995~1995
研究担当者
発行年度 1995
要約 圃場における葉いもちの初発は圃場抵抗性の強弱で品種間差がないが、強品種では病斑の伸展が弱品種よりも遅く、さらに穂いもちの発病が少ない。「奥羽351号」などの抵抗性品種は弱品種の5回防除以上の効果がある。
背景・ねらい 安全性、環境保全などの観点から薬剤散布の削減が社会的に強く望まれている。一方、いもち病圃場抵抗性の強い品種は、穂いもち、収量、品質面から抵抗性の弱い品種に数回の薬剤散布を行った効果に匹敵する(平成5年度研究成果情報)。ここではさらに、東北農業試験場で育成した系統を含めた、抵抗性程度の異なる品種・系統を用いて、葉いもち初発からのいもち病の発生の推移を経時的に調査し、防除との関わりについて明確にする。
成果の内容・特徴
  1. 葉いもちの初発日は、葉いもち圃場抵抗性が強の「奥羽351号」(組合せ:東北134号/チヨニシキ、真性抵抗性遺伝子Pi-a)及び「トヨニシキ」(Pi-a)、やや弱の「あきたこまち」(Pi-a、i)、弱の「ササニシキ」(Pi-a)の間で品種間差がない。しかし、品種に関わらず薬剤散布により初発日は遅くなる(表1)。
  2. 罹病株(慢性型、または急性型病斑が1個以上存在する株)の経時的推移は、無防除の「奥羽351号」では、「ササニシキ」の無防除と1回防除の中間を示す(図1)。
  3. 病斑面積率(全葉面積に対する病斑面積の割合)は、無防除の「奥羽351号」、「トヨニシキ」では、「あきたこまち」、「ササニシキ」の1回防除以上に匹敵する(図2)。
  4. 穂いもち発病程度、収量から判断すると、「奥羽351号」のいもち病圃場抵抗性は、「あきたこまち」、「ササニシキ」の5回(葉いもち3回、穂いもち2回)以上の防除効果に匹敵する(表2、表3)。この抵抗性効果は「トヨニシキ」よりも大きい。
成果の活用面・留意点
  1. 「奥羽351号」並の圃場抵抗性品種(葉いもちはトヨニシキ並の強、穂いもちはそれより強い極強)であれば、いもち病多発条件下でない限り無防除栽培も可能である。
  2. いもち病多発条件下で抵抗性品種を作付する場合は、従来の弱品種を基準とした防除体系では不要な防除をする可能性があり、防除体系を見直す必要がある。
  3. 「奥羽351号」は奨励品種決定試験で検討中の未登録系統であるため、現在のところ生産者への種子の配布はできない。
図表1 230757-1.gif
カテゴリ 病害虫 いもち病 抵抗性 抵抗性遺伝子 抵抗性品種 品種 防除 薬剤

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