密植桑園における除草剤のトップスプレー法

タイトル 密植桑園における除草剤のトップスプレー法
担当機関 福島県蚕業試験場
研究期間 1994~1994
研究担当者
発行年度 1995
要約 密植桑園の省力的簡易雑草防除法として春切及び夏全伐後に除草剤を桑園全面に上部より散布するトップスプレー法が有効であり、本法には既存の除草剤のうち21種が使用できる。これら除草剤は、登録量の最大量で使用しても桑再生枝条の伸長に影響を与えない。
背景・ねらい 養蚕の経営規模拡大を図る場合、桑園面積を拡大する必要があるが、多回育を導入している農家では、夏期の桑園管理に労力を振り向けられず、繁茂した雑草により桑の新梢が覆われ、桑葉収穫量の減少を招くことがある。特に、畦間が狭い密植桑園の雑草防除作業は、収穫後に桑株を避けて除草剤散布を行わなければならず作業に困難をきたしている。また、このことが密植桑園の普及上の大きな支障となっている。そこで除草剤を利用した密植桑園の簡易な雑草防除法を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 春切及び夏切の収穫直後の密植桑園全面に、雑草を主体にして除草剤をスプレーヤーを利用して上部より散布する方法により雑草防除が可能である(トップスプレー法と命名)。
  2. 散布薬剤濃度を登録量の最大量とした場合における収穫後の桑枝条の伸長が、除草剤無散布の場合の90%以上である除草剤を使用可能薬剤とすれば、21種類の除草剤が使用できる(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 本法は、従来の散布方法とは異なり、桑樹への除草剤の飛散も許容される。
  2. 本法による除草剤散布作業は、スプレーヤー等の機械を利用でき、蚕の多回育あるいは多作物との複合経営により作業が重複し、桑園の雑草管理が重荷になる時期に省力的な桑園管理が可能となる。
  3. 本法における除草剤の散布濃度は使用可能薬剤の登録量(登録使用濃度)の基準内であれば、雑草に対し殺草効果が認められていることから低濃度でも使用可能で使用量の削減につながり、周辺環境への負荷を削減できる。
  4. 本法は全国的に適用可能な技術である。
  5. 実用技術とするため必要な農薬登録票の改正は、除草剤メーカーから申請している。
  6. 除草剤の散布濃度は、登録使用濃度の最低量から中間量を厳守する。
  7. 散布は、春切、夏切及び夏全伐直後に行う。
図表1 230874-1.gif
カテゴリ 病害虫 カイコ 規模拡大 経営管理 雑草 除草剤 農薬 薬剤

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