タイトル |
ガス調整資材と低温保管によるむき身ソラマメの品質保持 |
担当機関 |
宮城県農業センター |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
そらまめは、むき身にすると酵素反応とそれに続く酸化重合反応による、褐変等により急速に品質が劣化するが、ガス調整機能を持つ微細孔フィルムによる包装と低温保管の併用により、褐変等がなく、良好な品質を10日間保持できる。
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背景・ねらい |
そらまめの1粒莢(S級品:宮城県青果物標準出荷規格)は市場価格が低く、出荷に不利であるため、専らむき身として出荷される。しかし、むき身にすると、酵素反応とそれに続く酸化重合反応による褐変等により急速に品質が劣化し、商品価値は急速に失われる。そのため農林水産省食品総合研究所で開発されたガス調整機能を持つ微細孔フィルムの利用と保管条件の検討により農家・農協段階で実現可能な品質保持技術の開発を目指した。
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成果の内容・特徴 |
- フィルムメーカーに依頼試作した酸素透過量の異なる4種類の微細孔フィルム(表1)で、むき身ソラマメを密封包装し、1℃の低温下で保管すると10日間の間品質が保持できる(表2)。通常のポリエチレン包装では、保存3日目で若干の褐変が認められる。
- そらまめの味に関与し、さらに呼吸速度の指標となるしょ糖含量の減少速度は、試作フィルムNo.1が最も早く、次いで通常フィルムであり、他の試作フィルム(No.2~4)の減少速度は前2者に比べて穏やかである(図1)。
- 変色速度(変色指数)は、通常フィルムが最も早く、次いで試作フィルムNo.1で、他のフィルム(No.2~4)の変色速度は前2者に比べて穏やかである(図2)。
- むき身そらまめの外観変化および成分変化から、試作フィルム(No.2~4)の品質保持効果が高く、包装資材として使用可能であると判断される。
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成果の活用面・留意点 |
- 必要な設備は、袋の密封用ヒートシーラーおよび1℃保管可能な冷蔵庫である。
- 袋の形態を「糊付き袋」等の簡易密閉が可能な形態とすると、ヒートシーラーも不要となり、農家・農協段階で容易に利用できる。
- 販売時点までの低温保管が不可欠であるため、低温流通・低温販売が必要である。
- 本試作フィルムは、現在のところ、市販はされていない。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
出荷調整
そらまめ
品質保持
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