リンドウの培養中における空気量増加による糖含有量の向上

タイトル リンドウの培養中における空気量増加による糖含有量の向上
担当機関 福島県農業試験場
研究期間 1997~2000
研究担当者
発行年度 1997
要約 培養条件下で生育するリンドウ(エゾ系)の糖組成を調べた。培養条件(空気供給量)を変えると糖組成は変化し、供給空気量の増加にともなって、根の糖含有率は明らかに増加し、通気条件下の個体では、野外個体とほぼ同じになった。
背景・ねらい リンドウの組織培養による増殖法が確立されているが、一部の系統では、
培養中に開花して越冬芽を形成しない現象が見られる。このことは、
設定された培養条件が植物の生理状態に影響を及ぼすことを示唆するが、
リンドウの培養植物体の生理状態に関する研究は少ない。そこで、リンドウは、
ゲンチアナ属特有の糖を保有することなどから、糖組成に着目して、
培養条件の中で、比較的重要視されていない供給空気量と糖組成の関係を調べた。
成果の内容・特徴
  1. リンドウの糖組成の特徴:10月に採取した野外個体(エゾ系)をみると、
    スクロース、グルコース、ゲンチオビオース、ゲンチアノースが存在し、
    フルクトースはほとんど含有していない。
    全糖含有率は、地上部より地下部で高いが、地下部においてゲンチアノースが、
    地上部において、ゲンチオビオースが多く含まれ、組成は部位によって異なる。
    芽には、上述の二種の糖が比較的多く含まれる。
    (表1)
  2. 空気の供給量(フラスコの大きさ、通気の有無)を変えて培養したところ、
    生育は、供給量が多いほど良好になり、植物体の糖の含有率も高まる。
    根のゲンチアノースと茎、葉のゲンチオビオースの含有率は
    供給量の増加とともに増加する傾向を示す。根の含有率の合計は、
    供給空気量の増加にともなって明らかに増加し、通気条件下では、
    野外個体とほぼ同じになる。(表2)
  3. 通気を行えば糖無添加培地でも、糖添加培地の無通気条件とほぼ同じ生育を示すが、
    糖の含有率は低い。(表2)
成果の活用面・留意点 培養条件によって、リンドウの生理状態が大きく異なるものと推測されるので、
他の条件の影響を検討して、培養リンドウの生理状態を明らかにする。
リンドウの越冬芽形成技術の開発、簡易培養技術の開発の資料にする。
図表1 231176-1.gif
図表2 231176-2.gif
カテゴリ りんどう

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