黒毛和種放牧子牛のその後の産肉性

タイトル 黒毛和種放牧子牛のその後の産肉性
担当機関 岩手県農業研究センター
研究期間 1997~1998
研究担当者
発行年度 1997
要約 黒毛和種の放牧子牛を用い、岩手県の生産技術体系の指標である生後27ヶ月齢、出荷体重700kgを目標に肥育を行ったところ、肥育開始時までの発育は劣っていたが、その後の発育は良好でほぼ目標を達成し、放牧子牛の産肉性が舎飼子牛に比較して劣らないことが明らかとなった。
背景・ねらい 放牧された黒毛和種の肥育素牛は、舎飼の肥育素牛に比較し、
月齢に応じた体重が小さく、見栄えが悪く、また、
放牧子牛のその後の産肉性が不明であり、子牛市場での評価が低い。
このことが黒毛和種の放牧拡大を阻害している大きな要因の一つとなっている。
このため、放牧された肥育素牛を用い、その後の産肉性について検討した。
成果の内容・特徴
  1. 放牧された肥育素牛(生後297日齢、体重240kg)8頭を用い、
    前期粗飼料多給型肥育を行った。1日当たりの増体量(DG)
    は肥育前期・後期ともに0.7kg台が1頭、その他の7頭は0.8kg以上であり、
    全期間のDGの平均は0.87kg(前期:0.87kg、後期:0.87kg)が得られ、
    生後27ヶ月齢で体重696kgであった。(表1、2)
  2. 前期粗飼料多給型肥育は、肥育期間を前期と後期に分け、
    前期(210日間)は濃厚飼料を体重比の1.1%に制限給与し、
    オーチャートグラス主体のラップサイレージを飽食給与した。
    後期(314日間)は濃厚飼料を飽食とし、イナワラを2kgの制限給与とした。
    また、飼料は朝、夕の2回給与である。
  3. 供試した肥育素牛の肥育開始までのDGは
    0.6kg台4頭、0.7kg台3頭、0.8kg台1頭であり、
    肥育開始時までのDGと肥育期間中のDGの相関は-0.1でありほとんど関係なく、
    肥育開始までのDGが0.6kgでもその後の増体は良好に推移する。
    なお、終了時の量小体重は636kgであり、十分市場性を確保している。
  4. 枝肉規格はA4:4頭、A3:3頭、B3:1頭、A2:1頭であり、
    一般出荷に比較しA5は少なかったが、ほぼ良好な成績であった。なお、
    ロース芯の面積は平均49.6平方メートル(46.0平方メートル~56.0平方メートル)、
    脂肪含有率は平均23.6%(15.28%~30.61%)、また脂肪交雑は平均1.21(0.67~1.67)
    であった。(表4)
成果の活用面・留意点
  1. 供試牛の父系は鳥取系6頭、兵庫系2頭であり、
    外山畜産研究室で生産され放牧育成されたものである。
  2. 子牛市場では、日齢を経たもの、体重の小さい牛は安く評価される傾向があるため、
    舎飼での発育遅延牛と区分するため、
    放牧経験牛であることを市場名簿に記載することを検討する必要がある。
    それでも放牧子牛が正当に評価されない場合は、
    経営内一貫、地域内一貫を推進していく必要がある。
図表1 231207-1.gif
図表2 231207-2.gif
カテゴリ 経営管理 出荷調整 肉牛

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