からむしの組織培養による優良苗の増殖法

タイトル からむしの組織培養による優良苗の増殖法
担当機関 福島県農業試験場
研究期間 1997~1998
研究担当者
発行年度 1998
要約 からむしの組織培養による苗増殖法を開発した。萌芽後、早期(5月上旬)に腋芽を含む節を培養して培養苗を得る。増殖は、初代培養個体の腋芽を含む節を分割して行う。
背景・ねらい からむしは、イラクサ科の植物で、
麻に類似した繊維を生産する地域特産作物である。からむし繊維は、
重要文化財の越後上布の材料としても知られる貴重な繊維である。
福鳥県の昭和村は、数少ないからむし繊維の産地として知られているが、
産地の周辺には野生のからむしが存在し、野生種は、
良質な繊維を生産する栽培種よりも生育が旺盛である上に、
取穫時期頃まで区別ができないために、
ほ場に両種が混在すると栽培種が淘汰されるので、優良系統の維持、
保存が危ぶまれている。
優良系統の維持、
保存並びに増殖方策のひとつとして組織培養による苗増殖法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 初代培養は、親株の採取時期を変え、植物を部位別に分けて、
    MS培地を基本にし、ホルモン組成を変えた5種類の培地を用いて培養を行う。
  2. 萌芽後、早期(5月上旬)の植物の腋芽を含む節を培養することによってのみ
    培養個体を得ることができるが、
    6月以降に採取した親株および腋芽を含む節以外の外植体からは培養個体を
    得ることができない。
    (表1)
  3. からむしの培養個体は、5月上旬に、親株から腋芽を含む節を採取して、
    ホルモンフリーのMS培地(ショ糖3%、寒天0.7%)に移植し、20度C、
    2.000 lux(18時間照明)の条件下で培養することにより得ることができる。
  4. 初代培養によって得られた植物体の腋芽を含む節を、分割移植し、
    2ケ月間培養すると3~5(平均3.8)節(腋芽を含む)の個体になるのて、
    これらの培養個体をさらに分割することにより増殖する。
    (表2)
【活用面】
コスト試算を付記して、昭和村に技術を提供する。
成果の活用面・留意点
【活用面】
コスト試算を付記して、昭和村に技術を提供する。
【留意点】
  1. 初代培養時の培養個体獲得率は、外植体の除菌が困難なので10~20%と低い。
    滅菌時間の延長により除菌は可能となるが、
    培養個体の獲得率をさらに低下させる。
  2. 初代培養個体が、
    5節以上(分割増殖目標)に生育するまでの期間は約6ケ月である。
  3. 初代培養個体獲得後の増殖率は、6ケ月で30倍程度と推定される。
  4. 培養に供する母植物は、優良系統であることを確認可能な段階で識別、
    確保する。
図表1 231297-1.gif
図表2 231297-2.gif
カテゴリ コスト

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