キセルガイの養殖に適した餌の種類

• 担当機関: 福島県蚕業試験場
• 研究期間: 1997～1998
• 発行年度: 1998
• 要約: 健康食品として注目されているキセルガイの養殖に用いる餌は、桑の廃条と稲わらを混合したものが適している。また鶏卵殻粉末を与えると更に効果的である。
• 背景・ねらい: 福島県中通り地方の桑畑に自然生息しているキセルガイは、; この地方では従来から肝臓病に利くといわれており、; 現在は健康食品としての需要が増加している。; そのため農家におけるキセルガイの採取が副収入の一つになっているが、; 最近その発生量が激減しており、; その原因は養蚕農家の減少とともに餌となる桑廃条が、; 桑畑に入らないためと思われる。そこでキセルガイの養殖技術の確立を目指し、; 成育と繁殖に最も適した餌について検討した。

成果の内容・特徴

1. 試験を開始した5月以降まもなく交尾し産卵するものがみられ、
   幼貝も多く観察される。一方試験期間中に死亡した貝も見られる
   (表1)。
   
2. 桑古条、桑廃条、稲わらの単独区は、放貝数に対し成貝の生存割合は低い45～72%
   と幼貝数を含めた割合は120～147%である(表1)。
   
3. 桑古条カッター+稲わら、桑廃条+稲わら混合区の成貝の生存割合は58～68%と
   単独区と大差ないが、幼貝を含めた割合では168～245%と単独区よりやや高い
   (表1)。
   
4. 混合区に鶏卵殻粉末を添加した区の成貝の生存割合は117～202%と高く、
   幼貝を含めた割合も373～530%と高く、キセルガイの繁殖には効果的である
   (表1)。
   

成果の活用面・留意点

1. キセルガイの餌として桑古条、桑廃条、稲わらの単独では繁殖率が低い。
   
2. 桑古条あるいは桑廃条と稲わらを混ぜた混合区に、
   さらに鶏卵殻粉末を添加することによりキセルガイの繁殖率が高まる。
   

• カテゴリ: カイコ 桑 鶏 繁殖性改善