イネ種子伝染性病害に対する温湯浸法による種子消毒法

タイトル イネ種子伝染性病害に対する温湯浸法による種子消毒法
担当機関 山形県立農業試験場
研究期間 1999~1999
研究担当者
発行年度 1999
要約 温湯浸法(58度C-20分間、60度C-10分間浸漬)による種子消毒は、イネ種子伝染性病害に対して化学薬剤による種子消毒と同等の効果があり、環境保全型農業技術として有効である。
背景・ねらい 地域環境保全に配慮した、種子消毒用化学薬剤に代わる新たな種子消毒法の確立を
目的として、かつて麦類の黒穂病などで行われてきた温湯浸法を見直し、温度制御
機能のある温湯浸漬式催芽器および家庭用風呂等の利用を想定した
温等浸漬処理(簡易温湯浸法)による種子消毒の有効性を検討した。
成果の内容・特徴
  1. 温湯浸法によるイネの種子消毒は温度制御機能のある温湯浸漬処理装置を用いた
    場合、58度C-20分または60度-10分間処理により、化学薬剤により種子消毒と同等の
    防除効果が得られ、発芽率も90%以上を確保できる(表1、表3)。
  2. 温度制御機能がない簡易温湯浸法では、60度C-20分または62度C-10分間処理により
    化学薬剤による種子消毒と同等の効果が
    得られる(表2)。
  3. 作業手順
    1. 温湯浸法は乾籾状態か塩水選後1時間以内の種子を用いる。
    2. 200リットルの温湯で乾籾換算10kgの種子が処理できる。
    3. 浸漬開始直後、温湯の水面付近で種子袋を5回程度上下させ、すみやかに内部の温度
      が上昇するようにする(図1)。
    4. 温湯浸漬終了後、直ちに種子を水で冷却し、後は慣行に従い浸種・催芽を行う。
  4. 注意事項
    1. もち品種は温湯浸漬により発芽率が90%未満となる品種があるので温湯浸法を
      用いない(表3)。
    2. 浸種を2時間以上行った後に温湯浸法を行うと、発芽率が低下するので、塩水選処理
      後、温湯浸法を行う場合は1時間以内に温湯浸漬をする(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 水稲の無農薬栽培のみならず、一般栽培においても利用可能
  2. 適応品種:うるち品種
  3. 適応病害:ばか苗病・いもち病・苗立枯細菌病
図表1 231445-1.gif
図表2 231445-2.gif
図表3 231445-3.gif
図表4 231445-4.gif
図表5 231445-5.gif
カテゴリ 病害虫 いもち病 種子消毒 水稲 農薬 品種 防除 薬剤

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