岩手県における水稲ロングマット水耕苗育苗法

タイトル 岩手県における水稲ロングマット水耕苗育苗法
担当機関 岩手県農業研究センター
研究期間 2000~2002
研究担当者 伊藤勝浩
発行年度 2000
要約 岩手県に適応した水稲ロングマット水耕苗の育苗法における特徴と留意点を明らかにし、「水稲ロングマット水耕苗育苗マニュアル」を作成した。水耕栽培によって得られる苗の草丈及び葉数は、育苗期間における水耕養液の日最低水温の積算温度と相関が高く、最低水温の積算温度が250~270℃で草丈10~13㎝、葉数3葉程度の苗が得られる。
背景・ねらい 岩手県においては昭和62年以後、県中央部以南の平野部を中心に50a区画以上の大区画圃場整備が進められている。その面積は平成10年度末現在で4千haとなっており、今後も大区画圃場は増加する見込みである。これら大区画化した圃場での農作業については、省力化・軽作業化が求められており、その技術の1つとして、1996年農林水産省農業研究センターにおいて開発されたロングマット水耕苗育苗移植技術がある。この技術は田植え作業の省力化・軽労化を目的としており、本県での実用化及び普及・定着を図るため、寒冷地におけるロングマット水耕苗の育苗法を明らかにした。
成果の内容・特徴
  1. 水稲ロングマット水耕苗の育苗移植作業技術(総合農業の新技術10:181-186,1997)を基礎として、寒冷地に適応した育苗技術に改良し、「水稲ロングマット水耕苗育苗マニュアル」を作成した。
     
  2. 水耕栽培によって得られる苗の草丈及び葉数は、育苗期間における水耕養液の日最低水温の積算温度と相関が認められる。最低水温の積算温度が250~270℃で草丈10~13㎝、葉数3葉程度の苗が得られる。
     
  3. 育苗期間は、日最低水温の平均が22℃の場合14日間、14℃の場合19日間を要する(図1,2)。また、寒冷地での水温の確保のために、水中ヒーターによる水耕養液の加温及び育苗ハウスの加温が必要となる場合がある。
    表1-1.水耕苗の苗調査結果(地上部) 表1-2.水耕苗の苗調査結果(地下部ほか)
成果の活用面・留意点
  1. 水稲ロングマット育苗移植技術を試験的に導入する際の参考とする。
     
  2. ロングマット水耕苗の育苗装置の本体はメーカー数社で販売しているが、ベニヤやトタンなどにより自作も可能である。
     
  3. 種子消毒に使用する薬剤により、根の伸長抑制、葉身の白化等の強い生育抑制が発生するので、剤の選択には注意が必要である(図3)。
図表1 231594-1.jpg
図表2 231594-2.jpg
図表3 231594-3.jpg
図表4 231594-4.jpg
図表5 231594-5.jpg
カテゴリ 育苗 軽労化 種子消毒 省力化 水稲 水耕栽培 薬剤

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