乾田直播用点播機とその汎用利用

タイトル 乾田直播用点播機とその汎用利用
担当機関 秋田県農業試験場
研究期間 2000~2000
研究担当者 鎌田易尾
久米川孝治
金田吉弘
三浦恒子
児玉 徹
若松一幸
松橋秀男
片平光彦
発行年度 2000
要約 開発した乾田直播用点播機は、回転式の播種口と二段式リンク機構の動作によって水稲浸種籾の点播を可能にする。開発機は水稲で移植並みの株形成と、収量、エダマメに対しても安定した播種と収量が確保され、他作目へも汎用利用できる。
背景・ねらい 秋田県では水稲作後の圃場に大豆や野菜の作付けを行う田畑輪換に対応するため、乾田土中早期湛水直播(以下折衷直播と呼称)技術を開発中である。折衷直播における播種作業は、移植に近い生育と収量を確保するため多粒点播が望まれており、それを実現できる乾田直播用点播機の開発と汎用利用を行う。
成果の内容・特徴
  1. 回転式播種口は、鎮圧ローラを動力源とする縦型多点式カムと二段式リンク機構で連動しているので、回転間隔の調節が容易である(図1)。
     
  2. 回転式播種口は外部バルブと内部バルブで構成され、両バルブに付属した角度の異なる播種穴を差動させることで、種子の安定供給と播種を可能にする(図2)。
     
  3. 縦型多点式カムの回転数は変速ギアで可変できるため、播種間隔の任意設定(25.7,24.1,22.4,20.9,19.2,17.6㎝)が可能である。種子繰り出し機構は傾斜ベルト式播種機を用いているため、播種量の調整が容易で他作目にも利用可能である。
      
  4. 点播形状は作業速度が増加すると縦長となり、条播に近似する(図3)。
      
  5. 圃場での水稲播種作業は作業速度0.56m/s、条間30㎝、播種間隔23.7㎝、播種粒数17.6粒、苗立ち形状が縦7.6㎝、横2.8㎝の楕円状である(表1)。また、エダマメ播種作業では、作業速度0.55m/s、条間75.0㎝、播種間隔20.1㎝である。
      
  6. 乾田直播用点播機を用いた現地実証試験では、水稲59.1㎏/a、エダマメ69.5㎏/aの収量である(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 開発播種機は、水稲の乾田直播とエダマメ等畑作物の直播に利用できる。
     
  2. 種子繰り出し機構の播種穴間隔は、播種口の開閉と同調させるため一個間隔にする。
     
  3. 適性な点播形状を維持するため、作業速度は0.7m/s以下で行う必要がある。
      
  4. 他作目への利用には、種子の大きさに合致したベルトへの交換が必要である。
      
  5. 播種間隔は、土壌水分や砕土率によって変化する。
      
  6. 使用するトラクタは22KW(30PS)以上の出力が必要となる。
図表1 231595-1.jpg
図表2 231595-2.jpg
図表3 231595-3.jpg
図表4 231595-4.jpg
図表5 231595-5.jpg
カテゴリ えだまめ 乾田直播 水稲 大豆 播種

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