農道ターン方式によるクローラ型トラクタ耕起作業特性

タイトル 農道ターン方式によるクローラ型トラクタ耕起作業特性
担当機関 秋田県農業試験場
研究期間 2000~2004
研究担当者 若松一幸
鎌田易尾
片平光彦
小笠原伸也 
発行年度 2000
要約 大区画圃場での農道ターン方式によるクローラ型トラクタの耕起作業は、圃場内ターン方式に比べ、旋回数および旋回時間の減少により総作業時間が短縮され、作業能率が向上する。またホイール型トラクタに比べ作業速度が速く、作業精度・能率が高い。
背景・ねらい 大区画圃場整備に伴い、農道ターン・クローラ型トラクタ・産業用無人ヘリコプター等の導入が進んできているが、クローラ型トラクタの作業能率等については明らかにされていない部分も多い。そこで、大区画圃場におけるクローラ型トラクタ農道ターン方式による耕起作業の作業精度・能率を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 長辺200m、短辺50mの1ha圃場において、農道ターン方式は長辺方向の往復作業で行い、圃場内ターン方式は畦畔際および旋回部を5m空け、最後に外周を3回転した(図1)。
     
  2. クローラ型トラクタはホイール型に比べ、走行部沈下量が少なく、その変動幅も小さいことから、走行部沈下量が耕深に与える影響も小さく、安定した耕深が得られる(表1)。
     
  3. クローラ型トラクタ農道ターン方式の1回当たり平均旋回時間は、圃場内ターン方式の92%となる。また、農道ターン方式の旋回数は、圃場内ターン方式の79%になり、ha当たりの旋回時間は、73%に減少する(表2,図2)。
      
  4. クローラ型トラクタ農道ターン方式の長辺方向往復作業速度を圃場内ターンの作業速度と同等に補正した場合、農道ターン方式のha当たり耕耘時間(ロータリー稼働時間)は圃場内ターン方式の96%となる。また、農道ターン方式の総作業時間は、圃場内ターン方式の93%に低下する(表2,図2)。
      
  5. クローラ型トラクタによる農道ターン方式の圃場作業量は0.54ha/hで、圃場内ターン方式の107%となり作業能率が向上する(表2,図2)。
      
  6. クローラ型トラクタ農道ターン方式による耕起作業はホイール型トラクタ農道ターン方式に比べ、旋回時間が増加するが、走行部沈下等による減速が少ないため平均作業速度が速くなり、総作業時間88%、圃場作業量114%と作業能率が高い(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 農道ターン可能な大区画圃場における、クローラ型トラクタ導入の参考となる。
     
  2. 法面勾配1:6,ターンブロック敷設アスファルト舗装農道でのデータである。
     
  3. 軟弱圃場では走行抵抗の増大によりホイール型トラクタの作業速度がさらに低下する場合があるため、クローラ型トラクタの有利性はより向上する。
      
  4. 本報告には圃場間の移動等に係る時間を含めていないが、供試機械の走行最高速はホイール型25.13km/hに対し、クローラ型10.0km/hでるため、圃場外におけるクローラ型トラクタの機動性は劣る。
図表1 231596-1.jpg
図表2 231596-2.jpg
図表3 231596-3.jpg
図表4 231596-4.jpg
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