β−ラクトグロブリンは哺乳子牛の脂質吸収を高める

タイトル β−ラクトグロブリンは哺乳子牛の脂質吸収を高める
担当機関 東北農業試験場
研究期間 2000~2000
研究担当者 櫛引史郎
篠田 満
上田靖子
新宮博行
甫立孝一(現畜産試験場)
発行年度 2000
要約 β-ラクトグロブリン(BLG)の給与は、哺乳子牛の消化管からのレチノール、中性脂肪の吸収を高めた。また、BLG摂取により血漿総脂質に占めるパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸の割合が増加した。この作用は、BLGの生理機能が脂質成分の吸収を促進すること、BLGが脂肪酸に対する結合親和性を有することを示している。
背景・ねらい BLGは牛の乳清タンパク質の主成分であり、初乳中に多く含まれる。BLGは人乳には含まれないことから、これまでは牛乳アレルギーの原因物質としての研究が主であった。BLGの生化学的特性として、in vitroにおける疎水性物質との結合親和性が明らかにされているが、その生理機能は未だ不明である。そこで、BLGの給与が哺乳子牛の脂質代謝に及ぼす影響を検討した。
成果の内容・特徴
      
  1. 10日齢のホルスタイン種雄子牛を用い、BLG(体重の0.04%)添加乳(BLG区、10頭)または無添加乳(対照区、10頭)にビタミンA(500,000 IU)を混和した。哺乳後の血漿レチノール濃度は、BLG区が対照区よりも有意に高く推移した(図1)。
      
  2. 10日齢のホルスタイン種雄子牛を用い、BLG添加乳(BLG区、9頭)または無添加乳(対照区、9頭)に乳脂肪(体重の0.08%)を混和した。哺乳後の血漿中性脂肪濃度は、BLG区が対照区よりも有意に高まった(図2)。また、哺乳9時間後における血漿総脂質の脂肪酸構成は、BLG区のパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸の割合が増加した(表1)。
成果の活用面・留意点
     
  1. 初乳期及び常乳移行期におけるBLGの生物学的機能解明のための基礎的データとして有効である。
  2. 消化管粘膜における吸収メカニズムについては別に検討を要する。
図表1 231739-1.jpg
図表2 231739-2.jpg
図表3 231739-3.jpg
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