腫瘍壊死因子(TNFα)は牛の成長ホルモン(GH)分泌を抑制する

タイトル 腫瘍壊死因子(TNFα)は牛の成長ホルモン(GH)分泌を抑制する
担当機関 (独)農業技術研究機構 東北農業研究センター
研究期間 1997~2002
研究担当者 横溝祐一
櫛引史郎
篠田 満
上田靖子
新宮博行
甫立孝一
嶝野英子
発行年度 2001
要約 TNFαの投与は、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)を介したGH分泌を抑制する。この作用は、TNFαが下垂体GH分泌細胞に影響を及ぼし、さらには発育や生産性にも関与していることを示している。
キーワード TNFα、牛、GHRH、GH
背景・ねらい サイトカインは生理活性物質として主に免疫機能を制御するペプチドの総称である。なかでもTNFαは内分泌機能及び栄養代謝にも関与していることが報告されている。牛におけるTNFαの機能は解明されつつあるが、生産性と密接に関わるGH分泌への影響は不明である。本研究はGH分泌を制御するGHRHの作用に対するTNFαの影響を検討した。
成果の内容・特徴 1.
ホルスタイン(H)種未経産牛の頸静脈よりTNFα(5.0μg/kg)とGHRH(0.25μg/kg)を同時投与すると、GH上昇が一時的に抑制され、直後にリバウンドと思われる大きなピークが出現する(図1)。
2.
H種育成牛(去勢、10ヶ月齢)にTNFα(5.0μg/kg)を連日皮下注射し、GHRH(0.25μg/kg)の負荷試験を行うと、GH分泌反応が抑制される(図2)。
3.
発育ステージの影響を検討するために、肥育牛(20ヶ月齢)にTNFα(2.5μg/kg/日)の連日注射を行い、GHRH(0.25μg/kg)の負荷試験を実施すると、TNFαはGHRH刺激GH分泌を抑制する(図3)。
成果の活用面・留意点 1.
TNFαが牛のGH分泌機能に影響することをin vivoで証明した初めての知見であり、生産性におけるTNFαの機能を解明するための重要な情報である。
2.
牛の下垂体細胞におけるTNFα受容体の機能解明につながる。
3.
TNFαにより発現が誘導される他のサイトカインの影響を検討する必要がある。
図表1 231788-1.gif
図表2 231788-2.gif
図表3 231788-3.gif
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