タイトル | 東北地域を対象とした新しい葉いもち・穂いもち抵抗性基準品種 |
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担当機関 | (独)農業技術研究機構 東北農業研究センター |
研究期間 | 1997~2001 |
研究担当者 |
永野邦明(古川農試) 遠藤征馬(愛知農総試) 横上晴郁 横尾信彦(山形農試) 加藤 浩 加藤恭宏(愛知農総試) 舘山元春(青森農試) 宮野法近(古川農試) 結城和博(山形農試) 高橋真博(岩手農研) 佐々木力(岩手農研) 佐野智義(山形農試) 斎藤真一(福島農試) 山口誠之 春原嘉弘(青森農試) 小田中浩哉(岩手農研) 小林 渡(青森農試) 松本眞一(秋田農試) 照井儀明(岩手農研) 真崎 聡(秋田農試) 須藤 充(青森農試) 杉浦和彦(愛知農総試) 菅原浩視(岩手農研) 千葉文弥(古川農試) 扇 良明(岩手農研) 大竹敏也(愛知農総試) 滝田 正 中場理恵子(山形農試) 半沢伸治(福島農試) 片岡知守 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 水稲品種・系統のいもち病抵抗性程度を評価するための東北地域向け基準品種の見直しを行い、新しい葉いもち、穂いもち抵抗性の基準品種を選定した。新基準では、従来の基準品種の再評価と主要品種の追加を行っている。 |
キーワード | 水稲、品種、いもち病、抵抗性、評価、東北地域、基準品種 |
背景・ねらい | 東北地域の水稲作において最も重要な病害はいもち病であり、水稲の品種を育成する際にはいもち病に対する抵抗性の程度を正しく評価することが重要である。抵抗性の評価は、いもち病に対する強さが予め分かっている基準品種との比較によって行われる。現在東北地域で使用されている基準品種は1980年に選定されたもので、そのうちの多くの品種はもはや作付けされていない。また、いくつかの品種は評価が適切でないことが指摘されている。そこで、新しい品種を追加し、いもち病抵抗性を再評価することによって葉いもち及び穂いもち基準品種を更新する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 東北地域の青森農試、青森農試藤坂支場、岩手農研、岩手農研銘柄米研、宮城県古川農試、秋田農試、山形農試庄内支場、福島農試相馬支場、東北農研及び東海地域の愛知農総試山間農研において1997年~2000年に同じ品種を用いて葉いもち及び穂いもち検定を行い、その結果から基準品種を選定した。 2. 葉いもち抵抗性基準品種として、抵抗性程度“極強”のランクを新たに追加し、“強”、“やや強”、“中”、“やや弱”、“弱”に34品種・系統を真性抵抗性遺伝子型“+”、“Pia”、“Pii”、“Pia+Pii”、“Pik、Pia+Pik”の区分毎に評価した(表1)。 3. 従来の葉いもち基準で“強”であった「トヨニシキ」、「トドロキワセ」は、“やや強”、“やや強”であった「サカキモチ」は、“中”と再評価した。 4. 穂いもち抵抗性基準品種として、抵抗性程度“極強”のランクを新たに追加し、“強”、“やや強”、“中”、“やや弱”、“弱”に44品種・系統を真性抵抗性遺伝子型“+、Pia”(A群)、“Pii、Pia+Pii”(I群)、“Pik、Pia+Pik”(K群)及び熟期別、即ち早生群(むつほまれ級)、早生~中生群(あきたこまち級)、中生~晩生群(ひとめぼれ級)の区分毎に評価した(表2)。 5. 従来“強”であった「レイメイ」、「ササミノリ」、「トヨニシキ」及び「ヨネシロ」を“やや強”と再評価した点などが異なる。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 本基準品種の適用対象地域は、東北地域である。 2. 水稲品種・系統の葉いもち及び穂いもち圃場抵抗性検定に同時に供試し、発病程度の比較から検定系統の抵抗性程度を評価する。 3. 検定系統の真性抵抗性遺伝子型と同じ遺伝子型の基準品種を用いる必要がある 4. 穂いもち抵抗性の評価には、検定系統と同じ熟期群の基準品種を用いる必要がある。 5. 旧基準品種に含まれる品種で新基準品種では評価が異なるものがあるため注意するとともに、当面は新基準品種により評価した旨を明記する必要がある。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
カテゴリ | いもち病 水稲 抵抗性 抵抗性遺伝子 抵抗性検定 品種 |