タイトル | 汎用点播機による水稲乾田土中点播早期湛水方式の作業体系 |
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担当機関 | 秋田農試 |
研究期間 | 1998~2002 |
研究担当者 |
鎌田易尾 久米川孝治 金田吉弘 三浦恒子 児玉徹 若松一幸 松橋秀男 片平光彦 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 汎用点播機による水稲乾田土中点播早期湛水方式は、代かき及び種子粉衣が不要で、全量基肥播種同時接触施肥することから、ha当たり労働時間は普通移植の66%に省力化される。汎用点播機の負担可能面積は24~37haとなり、現地実証試験での収量は55kg/aである。 |
背景・ねらい | 田畑輪換には、無代かきで行う乾田土中早期湛水方式が有利であり、その安定化技術体系の確立が求められている。そこで、これまで技術開発を行ってきた汎用点播機や施肥法など、乾田土中点播早期湛水方式の個々の技術を体系化し、生産の安定化を図る。 |
成果の内容・特徴 | 1. 乾田土中点播早期湛水方式の作業体系は、耕起後、汎用点播機により砕土・施肥・播種・鎮圧を同時作業し(表1)、播種後は早期(7日以内)に湛水する。 2. 代かき及び種子粉衣が不要で、肥料は全量基肥播種同時接触施肥(LP70とLP100を2:3で混合)することから、省力効果が大きく、春作業は普通移植栽培の21%に省力化される(表1)。 3. ha当たり労働時間は78時間で、普通移植栽培の66%である(表1)。 4. 汎用点播機の作業速度は0.5~0.6m/s、砕土率は60%以上、播種密度は14~15株/m2で、株当たり15粒程度の種子が播種される。その時の苗立形状は約2.5×8.5cmの楕円形状となる(表2)。 5. 汎用点播機の作業能率は、30a区画(30×100m)4.2h/ha、1ha区画(50×200m)2.8h/haであり、負担可能面積は、30a区画24.4ha、1ha区画36.6haとなる(表3)。 6. 乾田土中点播早期湛水直播の現地実証試験における収量は55kg/aである(図1)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 汎用点播機は、水稲の乾田直播とエダマメ等畑作物の直播に利用できる。 2. 汎用点播機は受注生産が可能である。 3. 乾田土中点播早期湛水方式に適する土壌群は灰色低地土、グライ土、強グライ土で、代かき条件での減水深が20mm/日未満である。 4. 畦畔の整備を行って漏水を防止し、除草剤の効果を高めるようにする。 5. 水管理期間が長くなることなどから、春作業後の労働時間は普通移植栽培よりもやや多くなる。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 肥料 病害虫 えだまめ 乾田直播 省力化 除草剤 水稲 施肥 播種 春作 水管理 |