タイトル | 可変側条施肥田植機の利用による肥料の節減と生育・収量ムラの解消 |
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担当機関 | 秋田農試 |
研究期間 | 2002~2002 |
研究担当者 |
石田頼子 鎌田易尾 片平光彦 小笠原伸也 |
発行年度 | 2003 |
要約 | 水稲圃場において、均一に散布していた施肥量を圃場条件に応じて変えられる可変側条施肥田植機を利用することにより、適切な施肥が可能となり、肥料の節約、生育・収量ムラの解消が図られる。 |
キーワード | イネ、圃場条件、可変側条施肥田植機、減肥、生育・収量ムラ |
背景・ねらい | 水稲圃場は土壌の理化学性等の要因により均一でなく、水稲の生育・収量にバラつきが生じる。そこで、圃場条件に対応した施肥量を走行しながら精密に施用できる可変側条施肥田植機を用いて、肥料の節減と生育・収量ムラの解消を図る。 |
成果の内容・特徴 | 1. 可変側条施肥田植機は、21世紀型農業機械等緊急開発試験機(平成14年度生研機構事業報告)で開発された機械である。予め肥料の仮比重情報を入力し、圃場メッシュ毎の施肥情報に従って、走行中に運転席周りに配した表示操作部上の増減ボタンを操作する手動モードと位置情報と連動しながら自動で可変する自動モードで施肥量(現物kg/10a)の調整が可能である(図1)。 2. 可変施肥区と対照区の施肥量を比較すると、対照区の実投入量が100%の場合、可変施肥区では95.1%であるため、施肥量は約5%少なく、圃場条件に応じて可変施肥することで肥料の節約が期待できる。なお、本圃場での可変側条施肥田植機の施肥精度は93.2%である(表1)。 3. 幼穂形成期の茎数、および成熟期の稈長・穂数・穂長ともに可変施肥区において変動係数が小さくなることから、可変施肥による生育ムラの軽減効果がみられる(表2)。 4. 可変施肥区における精玄米重は対照区と同等であり、収量ムラも小さくなる。また、玄米品質も収量と同様の傾向を示す(表2)。 5. 精玄米重の指数分布では、対照区より可変施肥区の指数差が小さく、可変施肥による収量ムラの軽減効果が認められる(図2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 基肥に加えて追肥も生育量に応じて可変施肥することで、より均一な生育量・収量確保が期待できる。 2. 基盤整備後の圃場において有効である。 3. 圃場の収量マップや土壌マップを基に利用することが望ましい。 4. 収量マップ等がない場合は、圃場条件によって表示操作部の施肥量増減ボタンを調節して対応する。 |
カテゴリ | 肥料 水稲 施肥 ばら |