耐冷・いもち病抵抗性の寒冷地北部向き低アミロース水稲新品種候補「ふ系198号」

タイトル 耐冷・いもち病抵抗性の寒冷地北部向き低アミロース水稲新品種候補「ふ系198号」
担当機関 青森農林総研
研究期間 1995~2003
研究担当者 坂井 真
須藤 充
舘山元春
神田伸一郎
坂本聖子
春原嘉弘
前田一春
八島敏行
川村陽一
横山裕正
発行年度 2003
要約 「ふ系198号」は寒冷地北部で“早生”に属する。低アミロースで米飯は粘りが強く良食味であり、ブレンド用およびチルド・冷凍米飯用途に適する。いもち病に“極強”で耐冷性は“強”である。「認定品種」として青森県の下北地域を中心とした冷涼地に普及予定である。
キーワード イネ、新品種、ふ系198号、低アミロース、良食味、寒冷地
背景・ねらい 青森県下北地域では、消費者の良食味指向に応えられる早生品種が求められている。この地域では、1999年に育成された低アミロース品種「おしまこ180」が一部に作付されている。しかし、耐冷性や玄米品質が不十分なため、より良質で耐冷性の強い低アミロース品種が要望されていた。
成果の内容・特徴 1.
「ふ系198号」は「ふ系180号(おしまこ180)」を母、「かけはし」を父として1995年に交配を行った後代から育成された低アミロース系統である。
2.
出穂期および成熟期は「かけはし」より2日程度遅く、寒冷地北部では“早生”に属する。「かけはし」より稈長・穂長はやや長く、穂数はやや少ない。草型はやや短稈偏穂重型である(表1)。
3.
白米のアミロース含量は登熟気温により変動するが、育成地では12%前後で、うるち品種の60%程度である(図1)。玄米は通常やや白濁するが、外観品質は「おしまこ180」に優る“中上”である。食味特性は「おしまこ180」とほぼ等しく、炊飯米は粘りがあり「かけはし」に明らかに優る(表2)。またうるち品種へのブレンドによる食味改善効果が大きく(表2)、冷蔵・冷凍条件での食味の経時変化が少ない特長を有する(表3)。
4.
収量性は「かけはし」並で「おしまこ180」に優る(表1)。
5.
障害型耐冷性は「かけはし」並で「おしまこ180」に優る”強”である(表1)。
6.
いもち病真性抵抗性遺伝子はPi a,Pi iと推定され、圃場抵抗性は葉いもち、穂いもち共に“極強”である。穂発芽性は“やや難”である(表1)。
7.
以上の特性から、「ふ系198号」は青森県の下北地域を中心とした冷涼地に、良食味、耐冷性、いもち耐病性の早生低アミロース品種として適すると考えられる。
成果の活用面・留意点 1.
青森県の下北地域を中心とする冷涼地に認定品種として普及させる(作付け見込面積:約40ha)。
2.
耐倒伏性は“中”であり、過度の多肥条件は倒伏と品質低下を招くので適正な肥培管理を行う。
3.
障害型耐冷性は強いが、穂ばらみ期に低温が予想される場合は、幼穂形成期以後深水にする等、適切な管理を行う。
4.
作付に当たっては、混米用、調理加工用等の需要を把握しそれに見合った生産を行う。
カテゴリ いもち病 加工 新品種 抵抗性 抵抗性遺伝子 肥培管理 品種 良食味

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