タイトル | 水田雑草のスルホニルウレア抵抗性簡易検定キットの開発 |
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担当機関 | 宮城古川農試 |
研究期間 | 2003~2003 |
研究担当者 |
伊藤健二※※ 吉田修一 |
発行年度 | 2003 |
要約 | 誰でも容易に短期間で、アゼナ類・イヌホタルイ・コナギのスルホニルウレア抵抗性検定が可能な、簡易検定キット(発根法ITO(Instant Test in Office)キット)を開発した。 |
キーワード | 水稲、雑草防除、スルホニルウレア、抵抗性、簡易検定 |
背景・ねらい | 水稲の栽培現場で、水田雑草がスルホニルウレア(以下、SUという。)抵抗性かどうかの判定は、適切な雑草防除体系の選択に必要である。これまで、雑草のSU抵抗性を検定する比較的簡便な方法として、種子・塊茎等からの発生個体をSU剤で処理する方法、迅速検定法(内野ら)、発根法(村岡ら、橋本ら)がある。より簡便に検定を行いたいという現場からの要望に応えるため、発根法に注目し、その改良とキット化を目指した。 |
成果の内容・特徴 | 1. 発根法を利用したSU抵抗性検定装置「発根法ITOキット」を開発した。キットは検定に必要な薬液を結晶化して封入した検定チューブを主体とし、野外で処理しやすいよう、必要な全器材及び検定方法マニュアルをバッグに同梱したものである(図1)。 2. 検定チューブ中の結晶は常温保存で安定で、長期保存できる(図2)。 3. アゼナ類・イヌホタルイ・コナギのSU抵抗性検定は、検定チューブに目盛りまで硬水(市販のミネラルウォータ等)を加えて植物体を挿入し10日間程度室内に置床した後、対照区と処理区の発根の有無の観察により判別可能で(図1)、検定結果は迅速法による結果と一致する(表1)。 4. 供試雑草の生育ステージに幅広く対応し、年間を通じて検定できる(図4)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 処理に当たっては、キットに附属の検定方法マニュアルの記載を厳守する。 2. 検定チューブの置床は、一般の室内であれば特に問題ないが、日光が当たる場所が最も良く、低温や日陰の部屋を避ける。 3. アゼナ類・イヌホタルイ・コナギ以外の草種に応用する場合は、ポット法など別の方法で得られた検定結果と比較し判断すること。 4. 発根法ITOキットは、公的機関での実施において、本キットの共同開発者のデュポン社を通じて入手できる。 |
カテゴリ | 病害虫 雑草 水田 水稲 抵抗性 抵抗性検定 |