転作復元年数及び圃場規模と穂いもち発生の危険性

タイトル 転作復元年数及び圃場規模と穂いもち発生の危険性
担当機関 古川農試
研究期間 2004~2008
研究担当者 笹原剛志
石川志保
畑谷みどり
佐々木次郎
高橋智恵子
小林隆
石黒潔
発行年度 2004
要約 2003年の穂いもち多発要因の一つとして,転作復元圃場における穂いもち発生の危険性が明らかとなった。大豆作からの転作復元初年目では穂いもち多発の危険性が極めて高く,2年目以降になると,その危険性は減少する。
背景・ねらい 2003年は大冷害の影響で,作況指数は大きく減少した。障害不稔の多発によるところが大きいが,穂いもち多発の影響もその要因の一つである。穂いもちの発生程度には,圃場間差が認められ,一部の地域では発生程度の異なる圃場がモザイク状に出現し,これらの要因として,転作の影響や大区画汎用水田での輪作の影響が想定された。そこで,リモートセンシングによる穂いもち圃場被害度の評価とそれに先だって行われた栽培履歴などの事後調査を基にした大規模後向きコホート研究の手法で,転作復元年数と穂いもち被害度との関係を検討した。
成果の内容・特徴
  1. 転作復元初年目の圃場における穂いもち発生の危険性は,転作復元2年目以降の圃場に比較し極めて高い(図1,2)。
  2. 転作復元初年目の多発傾向は,水田の規模や地域に関わらず認められる(図1,2)。
  3. 同一農家が耕作する圃場間でも,この傾向は認められる(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. ここで用いた圃場ごとの穂いもち被害度は、2003年に実施したリモートセンシングにより評価した結果を用いた。
  2. 調査は宮城県F市T地区(未整備圃場:283筆約38ha)及びS町N・T地区(大区画圃場:148筆約94.6ha,未整備圃場:680筆約102ha)を対象とした。S町N・T地区の大区画圃場では,水稲3年大豆1年の輪作体系を実施しており,転作復元の前作は大豆が作付され,F市T地区及びS町N・T地区の未整備圃場でも,転作復元の前作は大豆作であるが、大豆が4年に1度のローテーションで栽培されているとは限らない。
  3. 転作復元初年目における多発傾向は,イネの作付け品種や葉いもち防除法などの交絡因子の影響を排除しても認められる。
  4. 転作復元初年目における多発傾向の一要因として,初年目における作土及び下層土からの窒素吸収量が多いことが挙げられる(図4)。
  5. 転作復元後の圃場では,施肥に細心の注意を払い,防除体制を強化するとともに,品種の選定にも留意する。
図表1 232257-1.gif
図表2 232257-2.gif
図表3 232257-3.gif
図表4 232257-4.gif
カテゴリ 肥料 病害虫 水田 水稲 施肥 大豆 凍害 品種 防除 リモートセンシング 輪作 輪作体系

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