ソルガムによる土壌修復の年間コストは19.4万円/10aと試算される

タイトル ソルガムによる土壌修復の年間コストは19.4万円/10aと試算される
担当機関 秋田農試
研究期間 2001~2005
研究担当者 伊藤正志
澁谷功
中川進平
伊藤千春
越路昭彦((株)新菱)
加藤直人(東北農研)
発行年度 2005
要約 ソルガムによるファイトレメディエーションを30haを1集団として機械作業体系で実施し、専用焼却施設で処分するまでの一貫システムのコストは1年間19.4万円/10aと試算される。
キーワード 土壌汚染、カドミウム、ファイトレメディエーション、ソルガム、コスト
背景・ねらい 植物により土壌からカドミウム(Cd)を除去する修復技術いわゆるファイトレメディエーションの開発では、Cd蓄積植物の栽培から機械収穫、搬出、安全な焼却方法による処分まで一貫した実用的なシステムの構築を目的としている。本報ではソルガムを用いたファイトレメディエーションシステムの実証試験から年間コストを試算し、経済的に受容できるシステムか事業化時の参考資料とする。
成果の内容・特徴
  1. ソルガムの年1作栽培による作業体系は明渠掘りから播種までの春作業と刈り取り、梱包、搬出までの秋作業が主であり、10aあたりの作業時間は6.6時間である(表1)。
  2. 30ha規模の修復栽培に必要な機械装備の合計取得額は23百万円弱であり、耐用年数による償却や修理費等を含めた農機具費は13,430円/10a/年である(表2)。
  3. 年間3万tを処理する専用焼却施設の建設、運転、維持管理には、植物体1㎏あたり15円の焼却コストが必要であり、実証ほ場におけるソルガムの新鮮重は4.4t/10aであるから焼却処分費は66,000円/10aである。
  4. 生産費や処分費および稲作機会費用を合わせたソルガムによるファイトレメディエーションシステムの年間コストは19.4万円/10aである(図1)。
成果の活用面・留意点
  1. ファイトレメディエーションが必要な年数は、対象土壌のCd量やその存在形態などの特性により異なるため、ファイトレメディエーションの総コストも土壌条件により変動する。
  2. 土壌汚染対策の客土工事費用は10aあたり300~500万円であることから、本システムによる修復期間が15年以内ならば、ファイトレメディエーションはコスト総額において有利である。
  3. Cdを収奪したソルガムの植物体は焼却以外にバイオマスとして有効利用できる可能性がある。
図表1 232408-1.gif
図表2 232408-2.gif
図表3 232408-3.gif
カテゴリ コスト ソルガム 播種 春作

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