寒冷地における水稲ロングマット水耕育苗での保温と追肥の効果

タイトル 寒冷地における水稲ロングマット水耕育苗での保温と追肥の効果
担当機関 岩手農研セ
研究期間 2003~2005
研究担当者 及川あや
高橋政夫
大里達朗
発行年度 2005
要約 寒冷地における水稲ロングマット水耕育苗では、低温時の育苗では初期に保温することで安定的に約2週間での育苗が可能となり、巻取り約3日前の追肥によって、移植後の活着が良好となる。
キーワード イネ、ロングマット水耕育苗、保温、追肥
背景・ねらい ロングマット水耕育苗は、育苗施設の効率利用の観点から苗貯蔵技術と組み合わせることを前提とし、2週間程度の育苗を2回行うことを目標としている。しかし、気温が低い4月中は水温が確保しにくく、育苗日数が長期化するなど安定した育苗が難しい。また、従来法は育苗開始約5日後に1回のみの施肥であることから、苗の窒素濃度が低く、寒冷地では移植後の活着・初期生育が不安定である。そこで、苗質を向上させ、寒冷地においても安定した生育を確保する育苗管理技術を検討した。
成果の内容・特徴
  1. 保温の効果
    4月中旬頃の気温が低い状況での育苗では、播種後2日間はシルバーシートで昼夜保温、その後3日間夜間保温することで、育苗中の最低水温を2~4度C高く保つことができ(図1)、約2週間での育苗が可能となる(表1)。
  2. 追肥の効果
    巻取り3日前(葉齢2.0~2.5葉)に養液EC1.5~2.0mS/cm程度に高めることで、巻取り時の苗の窒素濃度は無追肥区と比較して約0.5~0.9%高まり(表2)、移植後の発根量が多い(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 2004年度は「あきたこまち」、2005年度は「ひとめぼれ」の結果である。
  2. 巻取り前の追肥によって地上部の生育は旺盛になるが、5日前の追肥では苗が徒長する傾向があり、貯蔵性が劣る場合がある。
  3. 生育期間中の養液タンク内の養液の減少分は、水道水で補給する。
図表1 232423-1.gif
図表2 232423-2.gif
図表3 232423-3.gif
図表4 232423-4.gif
カテゴリ 育苗 管理技術 水稲 施肥 播種 保存・貯蔵

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