主要有色米品種と一般米品種との交雑個体の識別指標

タイトル 主要有色米品種と一般米品種との交雑個体の識別指標
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター
研究期間 2003~2006
研究担当者 遠藤貴司
山口誠之
中込弘二
片岡知守
発行年度 2006
要約 有色米品種由来の交雑粒は玄米色では一般米と識別できないが、紫黒米品種「おくのむらさき」、「朝紫」由来の交雑F1個体は葉舌色及びふ先色、赤米品種「夕やけもち」由来の交雑個体はふ先色で一般米品種と識別できる。
キーワード イネ、有色米、混入、交雑、玄米色、葉舌色、ふ先色
背景・ねらい 近年、赤米、紫黒米等の有色米品種の普及とともに、一般米品種への混入が問題となっている。播種、収穫時等の人為的な混入、前年の漏生種子由来の個体の混入のほか、有色米品種の花粉が飛散して自然交雑が起こることが混入の原因となる。有色米が一般米へ混入すると検査等級が下がるため、効果的な混入防止方法が求められている。そこで、有色米品種と一般米品種との交雑粒及び交雑個体を識別する指標を明らかにし、これらを除去するための基礎的知見を得る。
成果の内容・特徴
  1. 有色米品種(紫黒米「おくのむらさき」、「朝紫」、赤米「紅衣」、「夕やけもち」)と一般米品種との交雑粒の玄米色は、母親の玄米色と同じになる(表1)。従って、一般米品種に有色米品種が自然交雑しても、交雑粒の玄米色では一般米と識別できない。
  2. 「おくのむらさき」、「朝紫」由来の交雑F1個体は、正逆交雑に関わらず葉舌色が淡紫色となり、一般米品種と識別ができる。葉舌色は葉齢が小さいときは鮮明ではないが、生育が進むにつれて濃くなる。「紅衣」、「夕やけもち」由来の交雑F1個体の葉舌色は一般米品種と変わらない(図1、表1)。
  3. 「おくのむらさき」、「朝紫」、「夕やけもち」由来の交雑F1個体は、正逆交雑に関わらずふ先色が紫色になり、一般米品種と識別ができる(図2、表1)。「紅衣」由来の交雑F1個体のふ先色は一般米品種と変わらない(表1)。
  4. 「ひとめぼれ」と「朝紫」、「夕やけもち」との交雑F1個体は、稈長、穂長、穂数だけでは「ひとめぼれ」と識別できない(表2)。
  5. 有色米品種由来の交雑F1個体に実ったF2種子の玄米色は、正逆交雑に関わらず親である有色米品種の玄米色と同じになる(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 「紅衣」由来の交雑F1個体は、葉舌色、ふ先色では一般米品種と識別できない。
  2. 有色米品種と一般米品種との交雑粒を除去することは難しいため、交雑の可能性があるところからは採種しないことが望ましい。
  3. 「おくのむらさき」由来の交雑粒が25.5m離れた距離で検出された事例がある
    (平成17年度研究成果情報http://www.naro.affrc.go.jp/top/seika/2005/tohoku/to05028.html)。
図表1 232619-1.jpg
図表2 232619-2.gif
図表3 232619-3.gif
カテゴリ 播種 品種

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