タイトル |
シイタケ廃菌床を活用した乳用種去勢牛の肥育 |
担当機関 |
秋田農技セ畜試 |
研究期間 |
2005~2006 |
研究担当者 |
渡邊潤
山内秀文(秋田県大木高研)
加藤真姫子
桒原正章(秋田県大木高研)
山内繁(秋田県大木高研)
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発行年度 |
2007 |
要約 |
乳用種去勢牛の肥育において、配合飼料の代替としてシイタケ廃菌床を約1kg/日(TMR 乾物中5~10%)給与しても、増体,長, 健常性および生産物への影響を与えることはない。これにより配合飼料利用量を約15%削減できる。
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キーワード |
シイタケ廃菌床、乳用種去勢牛肥育、飼料自給率向上、未利用飼料資源
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背景・ねらい |
秋田県ではきのこ生産過程における菌床やほだ木などの木質部分は、年間1,800~2,000立方メートル排出されており、資源としての再利用が強く求められている。そこで、シイタケ廃菌床の粗蛋白質含量は乾物中6.0%程度あり、また、飼料原料として調達や加工が容易であるという特徴を踏まえ、これを乳用種去勢牛へ給与することを検討する。
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成果の内容・特徴 |
- シイタケ廃菌床(ハンマーミルにて粉砕処理)を1kg/日(TMR乾物中5~10%)を目安として利用し、対照区と比較して同量の配合飼料と代替する飼料設計とした。
飼料原料は、粗飼料(乾草またはヘイレージ, トウモロコシサイレージ, ビートパルプ)、濃厚飼料(配合飼料)、未利用飼料資源(シイタケ廃菌床, ソバ製粉課程残さ)の粗飼料多給条件とした(表1)。 - 日増体量は、試験区と対照区の間に差は認められず前期約1.4、中期約1.25、後期約1.3kg/日であった(表2)。各体尺部位は、試験区分において増加率に違いは認められず、良好なフレームの増加が認められる。
- シイタケ廃菌床を給与した場合の血液生化学成分については、肥育牛の一般生理的な変動としてのTCHO、GGT およびBUN緩やかな増加は認められるが、いずれも正常範囲内であり、シイタケ廃菌床の給与が原因と考えられる異常値および顕著な値の差異は認められない(図1)。
- シイタケ廃菌床を給与した乳用種去勢牛の枝肉の格付け成績はこの種の牛として一般的な2等級である(図2)。この場合の出荷時の月齢体重は試験区19.6 ヶ月齢647.8kg、対照区20.2 ヶ月齢674.5kg で、枝肉重量および歩留まりは、試験区378.0kg、58.3%、対照区380.8kg、56.3%である。
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成果の活用面・留意点 |
- 配合飼料を部分的に代替する方法として有用である。
- シイタケ廃菌床を分離した場合の嗜好性は今後検討する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
加工
しいたけ
出荷調整
飼料設計
そば
トウモロコシサイレージ
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