| タイトル | 春まきネギの初期生育における生重と草丈の遺伝 |
|---|---|
| 担当機関 | (独)農業技術研究機構 野菜茶業研究所 |
| 研究期間 | 1999~2001 |
| 研究担当者 |
小原隆由 若生忠幸 小島昭夫 |
| 発行年度 | 2002 |
| 要約 | ネギの初期生育における生重および草丈は、優性効果が大きく、超優性を示す形質である。このため初期生育の旺盛な品種は、F1育種により効果的に育成可能である。春まきにおいて、千住群の品種は生重を、九条群の品種は草丈を高くする効果が大きい。 |
| キーワード | ネギ、省力機械化、初期生育、遺伝、ダイアレル分析、超優性、F1育種 |
| 背景・ねらい | ネギ生産の省力・機械化推進の一環として、機械移植に対応するセル成型育苗法が導入され始めている。しかし慣行に比べ小さい苗を移植することになるため、生育の遅いネギでは、活着とその後の生育が環境の影響を特に強く受けて不安定となりやすい。この問題を解消するには、限られた育苗期間内により大きな生育を示す、初期生育の旺盛な品種を育成することが有効である。そこで、移植期が高温となり活着不安定となりやすい春まき作型において、様々なタイプのネギ自殖系統を用いたダイアレル分析により、初期生育における生重と草丈の遺伝について基礎的な情報を得る。 |
| 成果の内容・特徴 | 1. 初期生育における生重は、広義の遺伝率が高く狭義の遺伝率が低いこと、および平均優性度が1以上を示すことから、優性的遺伝効果の寄与が大きく、超優性の形質であるといえる。また優性遺伝子は生重を高める方向に働く(表1)。 2. 初期生育における草丈は、平均優性度が1以上を示すことから超優性の形質といえる。ただし狭義の遺伝率が生重の場合に比べ高いことから、生重に比べると相加的遺伝効果の寄与も大きい。優性遺伝子は草丈を高める方向に働く(表1)。 3. 千住群の品種由来の系統は生重を高める方向に働く優性遺伝子を多く有し、九条群の品種由来の系統は草丈を高める方向に働く優性遺伝子を多く有する(図1)。 4. 生重、草丈ともに優性効果が大きく超優性を示すことから、優性効果を有効に利用できるF1育種により、初期生育の旺盛な品種の育成が可能と考えられる。 |
| 成果の活用面・留意点 | 1.本成果は春まき(3月~4月播種)の試験結果であり、他の播種期では、品種群の特徴の現れ方などについて、異なる結果となる可能性がある。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| カテゴリ | 育種 育苗 機械化 ねぎ 播種 品種 |