タイトル | エブ&フロー方式によるキャベツセル成型育苗基本技術 |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 野菜茶業研究所 |
研究期間 | 2001~2003 |
研究担当者 |
藤原隆広 岡田邦彦 吉岡宏 佐藤文生 生駒泰基 村上健二 |
発行年度 | 2003 |
要約 | エブ&フロー方式を用いたキャベツセル成型苗生産において、肥料が添加されていない育苗培養土を用い、子葉展開後から1/8倍濃度大塚A処方養液を128穴セルトレイ当たり10L供用することで、斉一性の高い苗生産が行える。 |
キーワード | キャベツ、育苗、底面給水、斉一性向上 |
背景・ねらい | これまでに省力的な健苗生産のため、育苗プールと培養液タンク・ポンプで循環型底面給水を行うエブ&フロー方式育苗法(図1)を開発した。これは、かん水ムラがなく斉一な苗が生産できる方式であり、育苗開始時に所定の濃度に調整し、育苗期間中に蒸発散で失われた液量を水道水で補う受動的制御で培養液管理を行う方式である。 そこで、現場で普及させる際に必要な技術的要件について詳細に明らかにし、基本技術として体系化を図る。 1. 肥料が添加されていない育苗培養土を用い、子葉展開時(播種後5~7日程度)まで施肥を控えることで、徒長が抑えられ、生育の斉一性が向上する(表1-a)。 2. 出芽に適した培養土の温度は30~35℃であり、40℃を上まわると出芽率が低下する。したがって、播種時期が高温期に当たる場合は、播種後二日程度(出芽直前まで)風通しの良い日陰で経過させることで、出芽率の低下が防げる(表1-b)。 3. 揃いの良い健苗育成に必要な窒素施用量は1株当たり2.5mgである(表2)。 4. 最適培養液濃度(育苗開始時)・量は、大塚A処方1/8倍濃度・10L/トレイである(表3)。 5. かん水は1日1回、朝に10分程度行う。培養土が培養液で飽和されるので盛夏においても1日1回で充分である。 1. |
成果の内容・特徴 | 1. 肥料が添加されていない育苗培養土を用い、子葉展開時(播種後5~7日程度)まで施肥を控えることで、徒長が抑えられ、生育の斉一性が向上する(表1-a)。 2. 出芽に適した培養土の温度は30~35℃であり、40℃を上まわると出芽率が低下する。したがって、播種時期が高温期に当たる場合は、播種後二日程度(出芽直前まで)風通しの良い日陰で経過させることで、出芽率の低下が防げる(表1-b)。 3. 揃いの良い健苗育成に必要な窒素施用量は1株当たり2.5mgである(表2)。 4. 最適培養液濃度(育苗開始時)・量は、大塚A処方1/8倍濃度・10L/トレイである(表3)。 5. かん水は1日1回、朝に10分程度行う。培養土が培養液で飽和されるので盛夏においても1日1回で充分である。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 成果の内容は128穴セルトレイを用い、キャベツ‘松波’を用いたものである。 2. 苗立枯病(ピシウム、リゾクトニア) が発生すると培養液を介して拡大しやすいので、セルトレイ等の用具は次亜塩素酸カルシウム剤などを用いて念入りに洗浄・消毒を行う。 3. エブ&フロー方式はかん水量の調節が難しいので、雨天時には培養土の湿潤程度に応じてかん水を停止することが望ましい。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 肥料 育苗 キャベツ 施肥 立枯病 播種 |