LBVaVの外被タンパク質遺伝子を導入したレタスのビッグベイン病抵抗性

タイトル LBVaVの外被タンパク質遺伝子を導入したレタスのビッグベイン病抵抗性
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 野菜茶業研究所
研究期間 2002~2005
研究担当者 川頭洋一
笹谷孝英(近中四農研)
杉山慶太
野口裕司
発行年度 2005
要約  LBVaV(レタスビッグベイン随伴ウイルス)の外被タンパク質遺伝子を導入した組換えレタス「LBVaV-CP#1」は、LBVaVだけでなくMiLV(ミラフィオリレタスウイルス)にも抵抗性を示し、レタスビッグベイン病に対し発病遅延型抵抗性を有する。
キーワード レタスビッグベイン病、LBVaV、MiLV、遺伝子組換え、外被タンパク質遺伝子
背景・ねらい  レタスビッグベイン病は世界各地のレタス産地で問題となっているウイルス病である。レタスビッグベイン病を発病しているレタスからはLBVaV (Lettuce big-vein associated virus)とMiLV (Mirafiori lettuce virus)の2種のウイルスが見つかっているが、病原はLBVaVではなくMiLVであると考えられている。しかし、LBVaVは発病株に高頻度で感染しているため、MiLVの増殖や発病の促進に関係している可能性がある。そこで、LBVaVの外被タンパク質(CP)遺伝子をアンチセンスの向きにレタスに導入することによりビッグベイン病抵抗性レタスの作出を試みる。
成果の内容・特徴 1.
LBVaVのCP遺伝子をアグロバクテリウム法によってレタス「シスコ」に導入し、T1世代でLBVaV抵抗性選抜した組換えレタス「LBVaV-CP#1」は、T2世代においてもLBVaVに抵抗性を示す(図1A)。
2.
本組換えレタスは、LBVaVとMiLVの同時接種の場合でも、MiLVの単独接種の場合でもMiLVに抵抗性を示し(図1B、2A)、レタスビッグベイン病に対し発病遅延型抵抗性を有する(図1C、2B)。
3.
導入されたCP遺伝子は、本組換えレタスのゲノムに1コピーだけ組み込まれている(図3)。また、調査したT2世代の31個体全てにおいてPCRによりCP遺伝子が確認されたことから、本組換えレタスは、導入されたCP遺伝子についてホモ接合性である。
成果の活用面・留意点 1.
本組換えレタスの圃場栽培条件下におけるビッグベイン病抵抗性については、隔離圃場において評価する必要がある。
2.
本組換えレタスは、ビッグベイン病の病原ではないLBVaVのCP遺伝子が導入されたにも関わらずビッグベイン病抵抗性を有するため、ビッグベイン病抵抗性機構の解明に有用な研究材料となる。
図表1 233086-1.gif
図表2 233086-2.gif
図表3 233086-3.jpg
カテゴリ 栽培条件 抵抗性 レタス

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