茶中間母本農3号由来の高カフェイン形質に連鎖するDNAマーカー

タイトル 茶中間母本農3号由来の高カフェイン形質に連鎖するDNAマーカー
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 野菜茶業研究所
研究期間 2004~2005
研究担当者 田中淳一
荻野暁子
谷口郁也
免責事項等)独立行政法人 農業
食品産業技術総合研究機構〒305-8517茨城県つくば市観音台3-1-1お問い合わせはwww@naro.affrc.go.jpTel/029-838-8988 FAX/029-838-8982(総合情報管理部広報課)  
発行年度 2005
要約  高カフェイン、高タンニンを特徴とする茶中間母本農3号(MAKURA1号)の後代において、高カフェイン形質に関するQTL(HCaf-1)近傍のRAPDマーカー(MKR1(17))は、茶中間母本農3号由来の高カフェイン形質の選抜に効果的である。
キーワード チャ、カフェイン、茶中間母本農3号、MAKURA1号、RAPDマーカー
背景・ねらい  カフェインは、集中力の増大・維持、眠気の喪失、疲労感の減少などの精神・運動刺激を引き起こす効果があり、飲料作物としてのチャを特徴付ける最も重要な化学成分の一つである。茶中間母本農3号(MAKURA1号)は高カフェイン、高タンニン(高カテキン)を特徴とし、1998年に中間母本登録されたが、耐寒性が弱い欠点があり、現在、その欠点克服に向けた育種が行われている。茶中間母本農3号の高カフェイン形質をチャ育種で活用するために、高カフェインの遺伝を解明するとともに連鎖するDNAマーカーを開発する。
成果の内容・特徴 1.
「まりし」(中カフェイン、低カテキン)を種子親、茶中間母本農3号後代の枕F1-67480(高カフェイン、高カテキン)を花粉親とした交雑で得られる分離集団において、高カフェインQTL(HCaf-1)はカフェイン含有量に大きな作用力がある座として検出される(図1)。
2.
RAPDマーカーMKR1(17)はHCaf-1の近傍に座乗する。枕F1-67480と「まりし」を交雑して得られる分離集団において、MKR1(17)が検出される個体は検出されない個体よりもカフェインを多く含む傾向にある(図2)。すなわち、MKR1(17)は枕F1-67480において高カフェイン形質と相引の連鎖関係にある。
3.
「さえみどり」、「さきみどり」、「おくみどり」等、現在、緑茶用品種育成のための主要な母本として用いられている品種やその親品種の中で、MKR1(17)が検出されるものは限定的(図3)である。したがって、高カフェインの緑茶品種を育成するために、MKR1(17)は比較的幅広い交雑組合せで利用可能である。
成果の活用面・留意点 1.
MKR1(17)等、HCaf-1近傍のマーカーと総カテキン含有量とは関連が認められない。HCaf-1と高カテキン形質は遺伝的に独立であり、茶中間母本農3号のHCaf-1による高カフェイン形質は、高カテキン形質と分離してチャ育種に利用可能である。
2.
「かなやみどり」、「とよか」、静岡県育成品種の「香駿」からはMKR1(17)と同サイズの増幅産物が検出される。これらの品種との交雑後代では、MKR1(17)が茶中間母本農3号、上記品種、どちらに由来するのか判定できず、MKR1(17)は選抜マーカーとして機能しない。「かなやみどり」、「香駿」から検出されるこの増幅産物は、その来歴を辿ると「S-6」に由来する(図3)。
図表1 233094-1.gif
図表2 233094-2.gif
図表3 233094-3.jpg
カテゴリ 育種 耐寒性 DNAマーカー 品種

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