プラントアクティベータによるチャの病害抵抗性誘導

タイトル プラントアクティベータによるチャの病害抵抗性誘導
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所
研究期間 2004~2006
研究担当者 吉田克志
荻野暁子
山田憲吾
園田亮一 
発行年度 2006
要約  プラントアクティベータであるチアジニルとパン酵母抽出物製剤をチャに葉面散布すると、チャ炭疽病菌とチャ輪斑病菌に対する病害抵抗性が誘導される。また、圃場のチャ新芽に散布すると、収量や化学成分に影響を与えることなく、炭疽病発生を抑制する。
キーワード チャ、プラントアクティベータ、病害抵抗性、チャ炭疽病、チャ輪斑病
背景・ねらい  プラントアクティベータは植物に持続的かつ全身的な病害抵抗性を誘導して、病害防除効果を示す薬剤であり、環境負荷も小さく、耐性菌発生が無いという特徴を持つ。わが国の緑茶品種の多くは、チャ炭疽病ないしはチャ輪斑病に罹病性であるため、化学合成殺菌剤が多用されてきたが、近年、消費者の食品の安全性に対する意識の高まりやポジティブリスト制導入等の社会情勢の変化により、チャへの農薬の使用量・回数を削減する病害防除技術が必要とされている。そこで、環境保全型チャ病害防除へのプラントアクティベータの応用の可能性を明らかにするため、他の植物で効果の認められたチアジニルとパン酵母抽出物製剤のチャにおける病害抵抗性誘導効果を評価する。
成果の内容・特徴
  1. 成葉が2枚付いたチャ切り枝の下位葉にチアジニルまたはパン酵母抽出物製剤(表1)を葉面散布すると、その上位葉でもチャ輪斑病の病斑拡大が抑制され、全身的な病害抵抗性が誘導される(図1)。
  2. 圃場のチャ成葉にチアジニルまたはパン酵母抽出物製剤を葉面散布処理すると、チャ炭疽病菌もしくはチャ輪斑病菌の付傷接種による病斑拡大が抑制され、その効果は長期間持続し、葉面散布30日後でも認められる(表2)。
  3. 圃場における二番茶期のチャ新芽にチアジニルまたはパン酵母抽出物製剤を処理すると、TPN水和剤700倍に比較するとやや効果が劣るものの、炭疽病発生が抑制され、2回散布しても収量および化学成分に対する影響は認められない(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. チアジニルは殺菌剤であるが、チャには登録が無いことから、チャに対する使用は試験研究目的に限定される。
  2. 本試験に供試したパン酵母抽出物製剤は(株)アグリボから「アグリボEX®」として肥料登録(登録番号 生第83628号)されているが、病害防除を目的とした使用はできない。
図表1 233117-1.gif
図表2 233117-2.gif
図表3 233117-3.gif
図表4 233117-4.gif
カテゴリ 肥料 病害虫 耐性菌 炭疽病 農薬 病害抵抗性 品種 防除 薬剤

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