根域制限NFTシステムでの2次育苗による定植作業の容易なトマト開花苗生産技術

タイトル 根域制限NFTシステムでの2次育苗による定植作業の容易なトマト開花苗生産技術
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所
研究期間 2006~2008
研究担当者 鈴木克己
安場健一郎
中野有加
高市益行
土屋和(太洋興業)
発行年度 2008
要約  トマト低段密植栽培の2次育苗で、根域制限NFTシステムを使用し、施肥の量管理と夜間断水を組み合わせて草丈を制御することで、移植時に作業性のよい開花苗が生産できる。
キーワード 育苗、根域、低段密植、トマト、NFT、夜間断水、養液栽培
背景・ねらい  トマト低段密植栽培では本圃の作付け回数を増やすため、できるだけ狭い面積で生育ステージの進んだ苗を低コストで効率的に生産する必要がある。近年開発された閉鎖型苗生産システムでは庫内のスペースが限られ、第1果房が開花した生育ステージの進んだ苗の生産には不適である。そこで、2次育苗として温室内に設置する根域制限NFTシステムを使用し、生育ステージが進んだ開花苗の生産技術を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 2次育苗に使用する根域制限NFTシステムは、養液循環タンク、ポンプ、栽培ベッド、発泡スチロールのパネル(1.2×1m)、塩ビ管(VU40)、防根透水シートで構成される(図1)。パネルに開けた穴と塩ビ管の下部で防根透水シートを固定する。有機質培地を充填した72穴トレイを用いて閉鎖型苗生産システム内で28日間育てた苗を塩ビ管の中に移植する。苗は底面の防根透水シートから毛管現象と根の吸水力により培養液を吸収する。約2週間後に第1果房の第1花が開花した苗が生産できる(図1)。
  2. 苗が徒長し葉が絡みあうと、移植時の作業性が悪くなる(図2)。苗の栽植密度がパネル当たり80本の場合、草丈50cm以下が作業性の面から望ましい。
  3. 約2週間の2次育苗中に窒素成分で0.08g/株相当量を数回に分けて循環タンクに加える量管理、給液ポンプを日没から日の出まで停止する夜間断水を組み合わせることで苗の徒長を抑制できる(図3)。
  4. NFTシステムでの3段密植栽培(栽植密度6,000本/10a)において、2次育苗時に栽植密度をパネル当たり80本とし草丈を制御した苗と、パネル当たり20本とし培養液(EC1.8dS/m)を循環させる濃度管理で育てた苗を使用し、NFTシステムで3段密植栽培した場合の両者のトマト果実収量はほぼ同等である(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 本試験で供試した品種は「桃太郎ヨーク」である。
  2. 夏季高温期には、夜冷管理、根域冷却などの暑熱対策が必要である。
図表1 233147-1.jpg
図表2 233147-2.gif
図表3 233147-3.gif
図表4 233147-4.gif
カテゴリ 育苗 栽培技術 施肥 低コスト トマト 品種 養液栽培

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