タイトル |
「コユキコムギ」の高品質安定栽培技術 |
担当機関 |
県南分場 |
研究期間 |
1987~1988 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
1989 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
新品種「コユキコムギ」について、パンおよび麺の両方の加工に好適な小麦の生産を 前提条件に、蛋白含量向上・開溝粒減少を主とする、高品質安定栽培技術を明らかに した。
- 全面全層播に比較して、ドリル播の方が開溝粒の発生が少ない傾向である。
- 播種量はドリル播で10a当り6~8kgが適当である。これより多い播種量では、粒の
充実が悪くなり、硝子率・蛋白含量ともに低下し、反面、基準播種量より 少なくすると、開溝粒が増加する傾向にある。
- 播種期はできるだけ適期内早播とすることが、粒の充実、硝子率・蛋白含量向上、
開溝粒の減少に効果的である。
- 後期追肥が高品質に結びつく。このうち、減数分裂期追肥は粒の充実に、また、
出穂期追肥は粒の充実、硝子率・蛋白含量の向上に効果が大きく、開溝粒の減少にも 効果がみられる。
図1. 播種期・播種量・追肥方法の違いによる品質・収量 - 技術・情報の適用効果
- 子実の粗蛋白含量を高位(12%以上)に安定させる技術の組立が可能となる。
- 子実の開溝粒発生割合を低く抑える(10%以内)技術の組立が可能となる。
- その結果、実需者等から信頼を得るコユキコムギの高品質生産に寄与する。
- さらに、多収品種であるコユキコムギの作付が拡大・定着して、麦作農家の
経営改善に貢献する。
- 適用の範囲
コユキコムギ栽培適応地帯
- 普及指導上の留意点
- 堆厩肥・土壌改良資材は十分施用するとおもに、基肥や融雪期追肥も地帯別基準量
に従って施用する。
- 凍上害防止のための踏圧を必ず実施する。
- コユキコムギの開溝粒は品種特性であり、外観的に見劣りするが加工適性上
問題がない。
- 穂発芽により著しく品質が低下するので、適期収穫に努めるとともに、乾燥も
適正かつ速やかに行う。
- コユキコムギは赤かび病にやや弱いので、出穂期から乳熟期にかけて長雨が予想
される場合は防除を徹底する。
|
図表1 |
 |
カテゴリ |
病害虫
安定栽培技術
加工
加工適性
乾燥
経営管理
小麦
新品種
土壌改良
播種
品種
防除
|