タイトル |
福島県におけるミナミキイロアザミウマの分布域 |
担当機関 |
福島防除所 |
研究期間 |
1989~1991 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1991 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
- 福島県内でミナミキイロアザミウマが初めて確認されたのは、1988年の11月
にいわき市平窪の加温型施設栽培キュウリであった。
- 1991年9月における分布域は初発生地点から10km程度に限られており、人為的
な要因を除いた本種の移動分散力は比較的小さいと考えられる。
- 冬期の生育場所はキュウリなどが栽培されている加温型施設に限られる。特に
、1農家で越冬型と促成型の2つの作型を取り入れ、冬期間も切れ目なく栽培し ている施設での越冬が確認されている。
- 5月下旬頃から冬期の生育場所であった施設周辺のナスなどに寄生し、夏期から
秋期にかけて露地での分布域を拡大するものと考えられる。いわき市ではナス 、シシトウおよびピーマンへの発生が確認されている。 図1 越冬明け後および冬期における ミナミキイロアザミウマの施設キュウリでの発生分布 図2 ミナミキイロアザミウマの露地での発生分布
- 技術・情報の適用効果
本種の移動分散力は比較的小さく、苗の移動や人の交流などによる持ち込みをしな ければ侵入を妨げる。 本種が地域に侵入した場合でも、生息場所が限定される冬期間の栽培作物や作型を 地域ぐるみで限定することによって防除できる。
- 適用の範囲
県内の加温型施設栽培地帯
- 普及指導上の留意点
本種が地域に侵入した場合、地域ぐるみで根絶を目指した防除対応がのぞまれる。 生育場所が限定される冬期間の栽培作物を本種に寄生されにくい作物に変更する とよい。これが実施できない場合には、冬期の低温に1ヶ月以上さらしたり、施設 を密閉して餌植物が無い状態に1ヶ月保つのも有効である。 既発生地域では、ナス、ピーマンおよびシシトウでの果実被害が問題になるので、 これらの作物を栽培する場合には防除基準に従い、防除を徹底する。
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図表1 |
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カテゴリ |
病害虫
きゅうり
ししとう
施設栽培
なす
ピーマン
防除
ミナミキイロアザミウマ
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